小泉防衛相発言に長崎の32団体が抗議 「被爆者の思い無視」

小泉進次郎防衛相が核兵器に関し「タブーなく議論」する必要性に言及したことを巡り、被爆者ら長崎県内の32団体が4日に記者会見し、「『自分たちと同じ苦しみを地球上の誰にも味わわせてはならない』と人生を懸けて核廃絶を訴えてきた被爆者の思いを無視した発言だ」と抗議した。小泉防衛相や高市早苗首相、各政党の代表に抗議文を送る。
小泉防衛相は7月中旬公開のインターネット番組で、ウクライナ情勢に触れ「各国が安全保障政策を根本から変えようと大胆に動いている」と語り、「日本にとって非常に議論するのが難しい課題だが、触れざるを得ない一つは核だ」と発言。「あらゆる政策をタブーなく議論し、進めなければいけない」と述べた。
「今の政権は戦争準備に入っている」
被爆者の山川剛さん(89)は「今も昔も大量に核兵器を持ち、核抑止のトップだと思われる米国では、2001年9月11日に同時多発テロ事件が起き、いくら核で武装しても何の役にも立たないことが証明されている。核戦争に勝者はない」と批判。県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長(83)は「政治家は核を持つことで日本が安全になると信じているのだろうが、専門家に言わせれば危険な道を切り開くことにつながる。今の政権は戦争準備に入っている」と危機感をあらわにした。
「被爆の実相を学んでほしい」
「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」の大越富子会長(78)は「小泉氏は負の遺産である核兵器を残すことに、親として何も考えていないのか。原爆投下後の惨状を見て何も感じないのか。助かっても後遺症で苦しむ。広島、長崎に来てもっと被爆の実相を学んでほしい」と話した。【尾形有菜】