皇室典範改正で注目される旧宮家男子の養子縁組 最も受け入れに前向きと言われるのは三笠宮家、当主の彬子女王は宮家継承に強い意欲

7月に成立した改正皇室典範で、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることが可能になった。改正を推し進めたのは麻生太郎・自民党副総裁とされるが、この先にどのようなシナリオが待っているのか――。【前後編の前編】
旧宮家男子が皇族となった場合その子の皇位継承順位は
「ようやく成し遂げることができた。すべての関係者に敬意を表したい」
自民党の「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」会長の麻生氏は皇室典範改正の成立についてそう語った。旧宮家の男系男子と皇族との養子縁組を可能にする改正を推進してきたことはよく知られている。
改正皇室典範では、養子皇族に皇位継承権はないが、「養子皇族から生まれる男子」は皇位継承権を持つと定められた。男系継承派である麻生氏の悲願達成の思いがこもった言葉だったのかもしれない。
麻生氏肝煎りの改正が成し遂げられ、今後、具体的にどのようなかたちで「養子受け入れ」が進められていくと考えられるのか。
今回の改正によって、養子皇族に男子が生まれた場合、皇位継承順位は秋篠宮、悠仁親王、上皇の弟である常陸宮に次ぐ第4位ということになる。
だが、男系継承派は、確率的に4つ以上の男系宮家を立てる必要があると考えているため、最低でも4人の養子入りを期待する声が上がっている。複数の旧宮家男子が養子縁組で皇族となった場合、彼らの子の皇位継承順位がどのように決められるのかをまず整理しておきたい。
改正皇室典範では、養子皇族の子の皇位継承順位について、〈実方の系統によるものとする〉と規定された。「実方」とは養子皇族の実家である旧宮家のこと。どの宮家と養子縁組するかにかかわらず、養子の子の皇位継承順位は実家である旧宮家の皇族離脱前の順位で決めていくということだ。
皇族の養子候補となる「未婚(配偶者がいない)の男系男子」は少なくとも11人、賀陽(かや)家に2人、久邇(くに)家に1人、東久邇(ひがしくに)家に6人、竹田家に2人とされる。この4家の皇籍離脱前の順位を見ていく必要がある。
政府の『「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議』に内閣官房が提出した検討資料には、旧11宮家が皇籍離脱する直前の昭和22年10月時点の系図と皇位継承順位が書かれている。それによると、当時皇太子だった上皇、常陸宮や「3直宮家」と呼ばれた秩父宮、高松宮、三笠宮の親王らに次ぐ第7位は山階宮(やましなのみや)武彦王、8位は賀陽宮恆憲(かやのみやつねのり)王となっている。