千葉豪雨の水没車、路上から撤去に時間…お盆のJAFにレッカー要請2000件殺到

豪雨に見舞われた千葉県内では、1000台以上の車両が水につかって動けなくなった。路上に放置された車両の移動作業は15日も各地で進められたが、運搬先となる業者のお盆休みが重なるなどして撤去に時間がかかっている。
「今までに経験のない要請数だ。24時間フル稼働で対応している」。15日午後、千葉市中央区の「日本自動車連盟(JAF)千葉支部」で、勤務歴約30年の男性(50)は疲れた表情で語った。
JAFによると、13日夜~15日昼に約2000件に上るレッカー移動の要請が殺到。全国各地の支部から派遣された「特別支援隊」を含め、レッカー車約70台で対応を続けている。
この日は、県が故障車の仮置き場とした「千葉ポートパーク」(中央区)の駐車場に、水没した車両などが水滴を垂らしながら次々と運び込まれた。
県と千葉市は放置車両が緊急車両の通行の妨げになるとして、豪雨翌日の14日から、災害対策基本法に基づいて車両を移動しているが、道路脇には車両が列をなしている。
JAFによると、車両の受け入れ先となる整備工場がお盆で休業しているため、要請者の自宅まで運搬することもあり、1件あたりの対応時間が通常時より長くなっているという。
千葉市稲毛区の国道16号では15日早朝、60歳代の男性が運転する乗用車が、車道上に放置された車両に追突。他の放置車両2台も含め計4台が絡む玉突き事故となり、男性が胸に軽傷を負った。道路脇に並ぶレッカー待ちの車両で車線が狭くなり、各地で渋滞も発生している。
14日にJAFにレッカー移動を要請したという千葉市中央区の男性(50)は「待っている車両がたくさんあると言われた。歩行者や自転車の妨げとなるので落ち着かない。早く撤去してほしい」と話した。
15日午後に佐倉市の浸水現場を視察した自民党の小林鷹之政調会長は、「明らかにレッカー車が足りていない。できる限り全国のレッカー車を県内に投入していただけるよう、国に働きかけていきたい」と語った。
死者の氏名 県公表せず
千葉豪雨で亡くなった被災者の氏名について、千葉県は原則として公表しないとしている。県は2021年、災害時の情報の公表方針を策定しており、それに基づく対応という。
公表方針では、情報収集や救助活動につながるとして安否不明者の氏名を原則公表すると明記。一方で、県は亡くなった場合は公表の必然性がないとしている。市町村による公表を妨げるものではなく、千葉市は県の方針に従うという。
24年1月の能登半島地震では、石川県が「公益性がある」として、遺族の同意が得られた死者の氏名を公表した。今年7月の熊本地震でも、熊本県が20年の九州豪雨後に明文化した運用方針に基づき、遺族の同意を得られた死者の氏名を公表している。