厚生労働省は24日、がん関連施策を巡って、映画「ママがもうこの世界にいなくても」(10月2日公開)と進めていたタイアップを中止すると発表した。AYA世代(15~39歳の若年世代)のがん患者に支援制度の周知を図る狙いだったが、タイトルが死を連想させるため、がん患者や医師らから「配慮に欠けている」との批判が相次いでいた。
ポスター掲出場所巡り批判噴出
映画は21歳でステージⅣの大腸がんを宣告された女性の実話を基にした内容で、厚労省は19日にタイアップを発表したばかりだった。
同省は特設ページやSNSで企画を告知するとともに、「AYA世代でがんと診断されたあなたへ」のコピーと映画のタイトル、出演者の写真をあしらった普及啓発ポスターを作成し、病院などで掲出する予定だった。しかし、SNSではポスターと掲出場所を巡って批判が噴出。26歳で悪性リンパ腫と診断された、がんサバイバーの佐々木真琴衆院議員(国民民主党)は、Xに「当事者として強い違和感があります」と投稿し、「AYA世代のがん経験者や治療中の患者、ご家族の声に耳を傾け、ポスターの表現や掲示場所を含めて再考していただきたい」と求めていた。佐々木氏は産経新聞の取材に対し「情報をよりよい形で当事者に届けていくためにも、今回の発信に至るまでのプロセスを確認したい」と話した。
「不快な思い…おわび申し上げる」
厚労省は中止の発表に際し、「がんと向き合っておられる患者さんやご家族等の皆さまに対し、不快な思いをおかけしましたこと、心より深くおわび申し上げる」と陳謝した。医療機関向けに発送したポスターについては、掲出しないよう求めたという。
政府と民間のタイアップを巡っては法務省も21日、ネットフリックスで配信中の恋愛リアリティー番組「『ラヴ上等』シーズン2」とのタイアップの中止を発表した。出演者が「人に火を付けた」と発言したことなどがSNSで問題視されていた。