7月の地震で最大震度7を観測した熊本県の被災地は連日、命の危険を感じさせるような暑さに見舞われている。県内では25日、最高気温が40度以上の「酷暑日」に迫る暑さとなった。猛暑は熱中症リスクだけでなく、復旧作業の遅れを招く恐れもあり、被災者の表情は険しい。
25日午後3時過ぎ、同県氷川町内の小学校には、各地から届けられた食料品を求める被災者で長蛇の列ができていた。同町の70代女性は支援物資を手にすると安堵(あんど)の表情を見せたが、屋外に出ると表情を一変させて「暑い…」。肌に突き刺さるような強烈な日差しを浴びた女性は大粒の汗をタオルで拭った。
気象庁によると、25日は県内各地で猛暑日となり、八代市では観測史上最高となる39.1度を観測。猛烈な暑さは連日続いており、日常を取り戻そうとする被災者の足かせになっている。避難所に身を寄せながら自宅の片付けを進める宇城(うき)市の無職女性(74)もその一人だ。女性宅の冷房機器は故障したままといい、「暑さ対策をしても長い時間の作業はできない」とこぼす。
一方、八代市では生活用水として使用している井戸の水が途絶えたことで痛手を受ける世帯も。同市の男性会社員(63)は「何をするにも水がいる。打撃は深刻だ」とうつむいた。
厳しい暑さにどう立ち向かえばよいのか。熱中症に詳しい医師で総合南東北病院救急集中治療科の平山一郎科長は「暑い環境に長時間いないことが重要だ」と指摘。可能な限り涼しい場所で過ごすことと、水分補給の際には電解質(ナトリウム)を含む経口補水液などの摂取を勧める。
熱中症が疑われる場合の対応で明暗が分かれる可能性もあるとして、平山医師は「意識がはっきりしていて自分で水分を摂取できる場合は経口補水液などを飲んでもらう」と対策を話す。
仮に意識がもうろうとしていたり、反応がおかしいと感じたらすぐに体を冷やす対応が必要となるという。災害時には体を冷やす資材が不足している可能性もあるとして、「水でぬらしたタオルや衣服を体に当てて、うちわなどで風を送る方法も有効だ」と語った。(星直人、浦柚月、藤澤拓光)