日本の金融・財政政策をめぐる米国からの執拗な圧力に、片山さつき財務相(67)が窮している。
先週、米国で開かれたG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議の期間中、ベッセント米財務長官は日本に「利上げ」を促す発言を繰り返した。会議閉幕後の記者会見では、「日本に(財政拡張と金融緩和に前向きな)リフレ政策を止めるべきだと伝えた」とまで明かしたのだ。
これに片山氏は反論。高市首相への訪米報告後のぶらさがり取材で、ベッセント氏から「特に注文はない」と言い切った。
さらに「やっていることに大変期待してもらっている」とも主張し、米国から政策転換を迫られてはいないという立場を断固として崩さなかった。
片山氏は、143.1兆円まで膨れ上がった概算要求についても、2026年度の当初予算と25年度の補正予算を合算した金額(140.6兆円)と比べて「大幅な増加にはあたらない」と強調。高市首相肝いりの「成長投資」は青天井だし、来年4月から2年間で10兆円規模の消費税減税もやるのに、「責任ある積極財政」の旗を降ろせない。片山氏は反論するしかないわけだ。
日米間で板挟みの片山氏だが、驚くことにその存在感が高まっているという。高市首相を筆頭に、リフレ派の城内実経済財政担当相など閣内の側近たちは経済オンチばかりだから、相対的に片山氏が浮き上がるという側面もある。
米紙も「日米の重要な仲介役として台頭」
片山氏に対しては海外メディアも注目しているようだ。話題になった「ベッセント長官が今年5月の訪日時、片山財務相に高市首相の経済政策に対する不満をぶちまけた」と伝えた米紙ニューヨーク・タイムズの記事は、「日本の通貨闘争の中心にいる女性」との見出しで、片山氏の人物像にスポットライトを当てたものだった。片山氏について「通貨高を求めて苛立つワシントンと、積極財政によって円安を招き、巨額の債務で不安をあおっている日本の首相との間で重要な仲介役として台頭してきた」と紹介していた。
今月中旬にも行われる内閣改造では重要閣僚がほとんど留任の方向で、片山氏も続投するとみられている。
「高市首相と片山財務相の関係はギクシャクしている。首相は本当は片山氏を代えたがっているが、米国との関係を考えたら残さざるを得ない」(官邸事情通)
外交無策の高市首相はトランプ米国にすり寄るしかなく、今月下旬の国連総会に合わせた訪米で日米首脳会談も希望している。片山氏にベッセント氏の盾になってもらわざるを得ず、片山氏を頼るしかない。