今週にも実施される内閣改造・党役員人事を巡り、自民党が実施した「役職希望アンケート」が物議を醸している。高市首相は折に触れて「アンケートを拝読している」と発言。重視して人選するようだが、側近の木原稔官房長官がやらかした。木原氏は10日の都内講演で、岸田文雄元首相がアンケートに回答したと暴露。「なんと、岸田(元)総理も出されたんですね。総理大臣をやった後に何をやりたいと言うのかな」と冗談めかして語ったのだ。
この発言に、岸田氏が“激怒”したのだろう。11日に木原氏は岸田氏に謝罪。朝日新聞電子版(11日配信)は「木原氏はそもそも、なんでアンケートに言及し、岸田氏の名前を出したのかわからない」との党関係者のコメントを掲載している。岸田氏は白紙のアンケートを出しただけというから、確かに名前をさらし上げる必要はないだろう。
「木原さんは余計なことを言ったものです」と言うのは、ある官邸事情通。
「旧宏池会会長を務めた岸田さんは今後、同派所属の林芳正総務相を推すのか、それとも前回総裁選で小泉進次郎防衛相を支持した同派内のグループに同調するのか、もしくは自身が再登板を目指すのか、など動静が注目されている。そんな中で『何をやりたいのかな』はあり得ない。高市総理側近でタカ派の木原さんが、ハト派の岸田さんを“挑発”したようにも映ってしまいます。岸田政権時に防衛相に起用してもらった恩があるはずなのに、考えの合わない岸田さんをよく思っていないのか……」
「文書に残せ」はキツ過ぎる
そもそも、今回のアンケート自体が党内で不評を買っている。アンケートでは、政務三役や党役職など、希望するポストを第5希望まで記述。志望理由を書く欄も設けられている。対象は当選2回以上の衆院議員で、提出期限は先月25日。一部からは「総理にアピールするいい機会だ」と前向きに受け止める意見もあったが、「勘弁してほしい」という声が党内から噴出している。
「かつて人事に影響力があった派閥が麻生派以外解散していますから、各議員に意向を聞くという発想自体はおかしくない。でも、第5希望と志望理由まで詳細に文書で残さなければならないという点はキツ過ぎます。少なくとも、現執行部に議員の意向が筒抜けになる。もし、外に漏れるようなことがあったら『アイツはあんなポストを望んでいるのか』と後ろ指をさされかねない。ましてや、岸田さんのようにさらされようものなら、最悪ですよ」(自民党関係者)
自民の衆院議員の平均年齢は55.7歳。上から目線で「役職希望」を今さら聞かれてもウンザリだろう。“パワハラ”じみた人事アンケートに怒っているのは岸田氏だけではなさそうだ。
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木原稔官房長官が10日、フジテレビのインターネット番組で、裏金事件に関与した自民党議員について「衆院の場合はすでに2回選挙を経て、国民の信任を得ている。そういったことを踏まえて人事がなされるのではないか」と発言。裏金議員を入閣させる可能性が高いのではと話題に。関連記事【もっと読む】『内閣改造で浮上「自民裏金議員」起用案 永田町でささやかれる入閣候補4人の名前』で詳しく報じている。