市民団体呼びかけ
戦時資料、捨てる前に一度相談して――。
熊本地震の発生からまもなく2カ月。今後本格化していく一般住宅の公費解体を前に、戦争資料・遺跡の保存活用をする市民団体「くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク」(戦跡ネット、高谷和生代表)が家に眠る戦争にまつわる資料の廃棄前の相談を呼びかけている。【野呂賢治】
戦跡ネットは10年前の熊本地震でも熊本県内の戦争にまつわる資料の「レスキュー」を実施した。熊本市や阿蘇市などで被災した建物の解体に伴い、廃棄を検討していた「出征のぼり」や「軍服」、「寄せ書き日章旗」など約80点をレスキューしたという。
高谷代表によると、日中戦争~太平洋戦争の戦時資料は文化財の枠組みで捉えられないことがほとんどで、行政から公的にレスキューされないことが多い。そのため被災家屋の廃棄物とともに処分されるケースが少なくない。資料を所蔵していた人も亡くなっていることが多く、品々のゆえんや意義についても判然とせず、家族が扱いに困ることもあるという。
被災資料以外にも、高谷代表のもとには処分に困る戦時資料に関する相談が日々寄せられている。
今月15日は死後事務や財産管理を任せられた弁護士からの相談で、100点超の戦時資料を調べた。資料の中には「千人針」や「勲章」のほか、出征時の写真やシベリア抑留関連の資料が多数残されており、高谷代表は手袋をはめて一点一点確認しながら歴史的な価値を所有者に伝え、仕分けしていった。
高谷代表は「これから公費解体が本格化する中で処分に困る戦時資料も多くあると思う。戦争の実態を伝えていく貴重な資料もあると思うので、廃棄する前に相談していただければ」と呼びかけている。相談は高谷代表(090・1513・5528)。