今年の台風は異例の多さ 9月末までに32年ぶりの26号 熱帯域の大気の流れが影響か

気象庁によると23日、台風26号(スリゲ)がフィリピンの東の海上で熱帯低気圧から変わった。今年は台風の数が例年よりも多く、9月までに26個確認されたのは1994年以来、32年ぶり。熱帯域の大気の流れが異例の多さにつながっているようだ。同庁は今後も台風や大雨が襲来する可能性があるとして注意を呼びかけている。
8月はひと月で10個も発生
9月時点で年間の台風発生数の平年値(1991年~2020年の30年平均)25.1個を既に超えた。
今年は9月24日時点で、1月から6月までに計8個発生した。7月の5個、8月の10個に続き、9月に3個確認された。特に8月の10個は異例で、ひと月で10個以上の台風が発生したのは1966年以来60年ぶりだった。
なぜ今年は台風の発生数がこれほど増えているのか。
同庁によると今年は特に7月から8月にかけ、「偏東風波動」と呼ばれる大気の波の活動が活発で、この波に伴い積乱雲が発生、発達し、台風が生まれやすくなったという。
さらに今年は、「太平洋の赤道付近の日付変更線辺りから南米沿岸にかけ、海面水温が平年より高くなる気候変動現象『エルニーニョ現象』の発生もあり、台風発生数の多さにつながったと考えられる」(担当者)という。
「8、9月が終わっても安心せず」
8月は例年、台風の発生数では1年間で最も多い月とされるが、台風を流す上空の風がまだ弱いため、台風は不安定な経路をとることが多い。しかし、「9月以降になると南の海上から放物線を描くように日本付近を通るようになり、このときに秋雨前線の活動が活発になり、大雨を降らせることがある」(担当者)という。
室戸台風や伊勢湾台風は9月だった
同庁によると、1934年9月に高知県の室戸岬付近に上陸し、2702人の死者を出した「室戸台風」、1959年9月に和歌山県潮岬付近に上陸し、4697人の死者を出した「伊勢湾台風」など、過去に甚大な被害ををもたらした台風の多くは、9月にこうした経路をとっている。
担当者は「10月も大きな台風が発生した年はいくつもある。台風が多く発生するといわれている8、9月が終わっても安心せず、今後も台風や大雨など気象情報に留意してほしい」と述べた。