9月25日正午すぎ、群馬県太田市市場町の住宅から県警に「母親が刺された」と通報があった。警察官が駆けつけたところ、この家に住む手塚由佳さん(52)が出血した状態で倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認された。
現場は栃木県足利市との県境にある閑静な住宅街だ。白昼堂々起きたのは凄惨な事件だった。何が起こったのか。キー局社会部記者が解説する。
「手塚さんと一緒に暮らす長男と長女が外出から帰ったところ、家の中で被疑者の男に鉢合わせた。男は長男の後頭部を刃物で切りつけ、その場から逃走したとみられます。長男は怪我をしましたが軽傷です。
一方、手塚さんの遺体には十数か所の刺し傷があり、現場には刃物が1本残されていたといいます。男は上下黒の服装の30代男性で、北へ向かって徒歩で逃走したとされた。殺人事件として捜査が進んでいます」
26日未明、県警は栃木県佐野市に住む三原理稀容疑者(30)を、手塚さんの長男に対する殺人未遂容疑で公開手配したと発表。三原容疑者は手塚さん一家と関わりがある人物だった。
複数のトラブル歴
「容疑者は手塚さんの長女の元夫です。捜査関係者によれば群馬、栃木県警に計3回、長女から三原容疑者との喧嘩やDVに関する相談歴があった。9月19日には三原容疑者が『母親と長男を殺して自分も死ぬ』旨の発言をしていたこともわかっている。
長女と容疑者は離婚後も一時期、同居していた時期があるといい、群馬県警は事件の前日に『元夫(容疑者)が知らない場所に避難したほうがいい』と助言もしていたということです」
近隣住民によれば手塚さんは病に冒されており、子どもたちに面倒を見てもらいながら生活していた。3人が住む家は2018年に手塚さんの名義で購入されている。近所に住む男性はこう語る。
「手塚さんはもともと近所に住んでいたのですが、6~7年前に前の住民から家を買って引っ越してきた。旦那さんはいなくて、3人で暮らしているはず。がんを患っていて、息子さんたちがお世話をしているという話です」
この男性は事件直後、狼狽する手塚さんの長女と会話をしたという。当時の緊迫した様子についてもこう明かした。
「手塚さんの家のすぐ隣に、おじいちゃんが住んでいるんです。たまたまそこにヘルパーさんが来ていて、娘さんはまずそこに『助けて!』と駆け込んで、そのあと自分で通報したみたい。
僕が現場に駆けつけたとき、娘さんは『弟が見つかった!』みたいなことを言っていたから、もしかしたら軽傷だった息子さんが、犯人を追っかけていったのかもしれない。犯人は返り血を浴びたまま、足利市のほうに走って逃げていったと聞いています」
警察は事件後、裸足のまま現場から逃走する三原容疑者の写真も公開。公開捜査で情報を募り、男の行方を追っている。
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