伊豆諸島付近を北上している台風26号が近づいてきています。さらに1日未明、新たに台風27号も発生しています。27号は北上する見込みで、今後の進路に注意が必要です。
【画像】千葉の名産品・落花生 雨続きで掘れず干せず…
関東に近づく台風26号
先月30日夜、台風26号の強風域に入った伊豆諸島・八丈島。時間を追うごとに、雨と風は強くなっていきます。
強い風によって木々は揺れ、雨も横に降ってます。
台風26号は伊豆諸島付近を北東に進んでいて、今月1日の日中に、関東に最も近づく見通しです。
台風26号が迫るなか、印旛沼では先月30日に堤防の復旧工事が大詰めを迎えていました。
決壊した堤防の復旧作業が急ピッチで行われています。水が侵入して来た部分は、かなり修復が進んでいるのが分かります。
4カ所の堤防が決壊し、辺り一帯が冠水してから今月1日で10日。
関東地方整備局 大野宏之河川情報管理官
「台風等も近づいてますので、それまでには荒締め切りまでは完成させることを目指している」
国土交通省によると、最も被害が大きい成田市の決壊現場では、仮の堤防が氾濫水位を上回る高さとなり、先月30日未明、印旛沼からの流入はなくなりました。周囲の水もほぼ引きました。
1週間前は見渡す限り水面でしたが、ビニールハウスや田んぼが今は見えていて、水が引いた状態になっています。
電柱しか見えず、冠水していた道路は今、人の姿もあり、通行ができる状態となっています。
再び…住民「千葉ばかり」
先月24日の朝、一面水浸しとなった場所を心配そうに見つめていた農家の鈴木明久さん(76)。
「ビニールハウスの所有者です。(向こうに)行けないんです」
「作業小屋にネコがいるんだけど」
「天井裏みたいなのがあるから、そこにいてくれればいいんだけど」
あれから1週間、先月30日に現場を訪れると、ビニールハウスに押し寄せていた水は引いていました。
先月27日にようやく入ることができたビニールハウスの中は、壊滅的な被害を受けていました。
「(Q.ナスの葉も全部泥がかぶって茶色くなってる)秋ナスねぇ」
野菜類だけでなく、暖房器具や耕運機、冷蔵庫などありとあらゆるものが泥をかぶり、壊れてしまっています。
被害総額は3000万円ほどになるといいます。さらに、いまだネコの行方は分かっていないといいます。
「(Q.ネコちゃんは?)いないですよ、行方不明」
ハウス内の片付けなど復旧に向けて地域の人たちが集まって、手を貸してくれていますが、なかなか前向きになれないのが現状のようです。
「ちょっと眠れないです。疲れたというよりも、なんかいろいろ考えちゃいますね。廃業するとか、そういうことも考えは出てきます」
「(Q.また新たに台風が近づいてますけど?)祈るだけ…避けてくださいと…」
その台風26号ですが、今月1日の日中に関東地方へ最も近づくと予想されています。
近隣住民
「どうして千葉ばかり。このまま何事もなければいいなと」
「そんなに強くならないこと願って。決壊した所からまた水来たりするかなと思うけど…」
農作物にも影響で農家悲痛
度重なる豪雨や長雨は、千葉県の農作物にも影響を及ぼしています。落花生の生産・販売を行う増田繁さんに聞きました。
「(Q.ここら辺、これが削れちゃった?)そういうことです」
「(Q.雨の影響?)そうです」
訪れたのは、収穫量全国1位を誇る千葉県の名産品・落花生の畑です。
「(Q.今、落花生畑の状態は?)雨で(落花生が)掘れない状況です」
「(Q.本来なら掘ってもいい時期?)そうです。ずっと雨ですから」
春に種がまかれた落花生は、もうじき収穫の時期。しかし、大雨の影響で畑の土が柔らかくなりすぎ、落花生を掘り起こすトラクターが土に埋まって、動けなくなるため、収穫できないといいます。
「(Q.収穫が遅れると影響は?)完熟すると、この先から(実が)取れちゃう。落ち実と言って(落花生が)死んじゃうわけです。豆が痛んじゃう」
品質を維持するためには、収穫時期は遅らせられないといいます。
現在の落花生の状態はどうなのか、一部を手で掘り起こしてみました。
殻の内側が黒くなり始めると収穫の時期。掘り起こした落花生も少し黒くなり始めていました。収穫の時期が迫っています。
収穫終えた落花生にも問題
すでに収穫を終えていた落花生にも問題が起きていました。
「外に出せないので、まだ完全に乾燥してないです」
おいしい落花生にするためには乾燥が重要だといいます。
本来なら、太陽の下で広大な敷地で10日間ほど天日干しを行い乾燥させます。しかし、その場所は今、雨続きで天日干しができない状態です。
落花生は濡れたままだと傷んでしまうため、仕方なく天日干し用の干し網に入れて室内で保管していますが、なかなか乾燥しません。
「まだ本来ならもっとカラカラ音がしますね。乾燥していると」
対策として考え出したのが、空気の流れを使った乾燥システムです。
「びしょびしょになった落花生を入れて。(上に)吸うだけの換気扇、下が空いてて空気で乾かす」
まだ試作段階ですが、実験的に使い始めることに。乾燥を終えた落花生はその後、火でいり選別などを行って製品化されます。
「もう天気予報は毎晩夜10時まで見てます。2日先、3日先を見ています」
「(Q.台風26号が接近しているが?)ため息です。台風一過で晴れてくれれば、なんとかなると思っていますが」
ニンジンにも甚大な被害
千葉県が全国有数の生産量を誇るニンジンも、甚大な被害が出ていました。ニンジン農家の米田将之さんに聞きました。
「これだけひどいのは初めてですね」
そのニンジン畑に向かうと、畑はいまだにほとんどが冠水していました。
米田さんの畑は、8月の豪雨で生えたばかりの芽がほとんど流される被害に。その後、種をまき直しましたが、先月上旬の大雨でその種も冠水しました。
さらに、先週の台風25号によって畑は冠水したままの状態です。
「(Q.ニンジンはどういう状況?)この辺は水がたまっていないので、生育している。これがニンジンです。根っこ(ピンクの部分)がちょっと見えている。これは表面の土が流れているんです」
冠水した畑の端で生き延びたわずかなニンジン。そばには、根が抜けて倒れている芽もあります。
「(Q.発芽しているのは収穫できる?)もうこれだけなので、これだけ管理するか、(今年は)潰してしまうかどうしようか、これからの天気次第ですか」
この畑では8割が被害に。手塩にかけて育ててきたニンジンですが、残りわずかを育てるか、来年に備えて放置するか悩んでいるといいます。
「(Q.台風26号が来ているが?)もうお手上げ。勘弁してくれという感じ」
通常なら12月から年始にかけて30トンほどの収穫を行うはずでしたが、この状態で見込めるのは3トン程度。被害額は600万円ほどだといいます。
「最初の方は、水たまったばかりの時は排水しようとかやるけど、やれることやったけど。また降ってまたたまったので、もうしょうがない。残念ですね」
被害で食卓に与える影響は
農業王国・千葉県を襲った度重なる大雨被害。生産量が減るなか、私たちの食卓に与える影響は?千葉市地方卸市場、千葉青果(株)の渡邉英大代表に聞きました。
「(千葉産は)良くて7割作ぐらい。悪いと半作、半分ぐらいしか(市場に)出ない可能性もある。例年の倍ぐらいの価格になる可能性はある」
現在、市場に出ているニンジンは北海道産が9割を占めていますが、毎年12月になると、千葉県産のニンジンが市場の8割を超えるといいます。
「本来だったら11月初旬から千葉県産に変わるんですけども、千葉県産が被害があるので、おそらく北海道産が11月半ばぐらいまでは出てくる」
「キロ150円ぐらいで千葉県産はスタートするが、今年のスタートは200円ぐらいと予想。ただ、この雨の影響によって間(作付け)が空いてしまうと、キロ300円以上になる可能性も」
小売り価格にすると現在3本でおよそ150円が、12月以降は300円以上になる可能性もあるといいます。
豪雨と台風、さらに長雨で大きな被害を受けた千葉県産の野菜。その影響は年末まで続くとみられています。
(2026年10月1日放送分より)