【疑惑】「金属バット持って来い」食肉卸売会社で社長がパワハラか 11人離職で“株主”仙台市も問題視 元検事が指摘「取締役会は機能していない」

約106万人が暮らす東北地方最大の都市、宮城県仙台市。この地で食肉の卸を50年以上にわたり行ってきた会社で今、退職者が相次ぎ、市議会も巻き込む問題となっています。背景にあるのが、社長によるパワハラやセクハラ。従業員らの訴えで、社長の驚きの言動が明らかに…。その法的責任について、弁護士・亀井正貴氏が解説します。
1974年に設立され、主な事業として食肉の加工・競りなどを行っている『仙台中央食肉卸売市場株式会社』。従業員は173人(2024年)で、東北・北海道で唯一の中央食肉卸売市場ですが、今この会社は“ある問題”を抱え、1年以内に11人の退職者が続出しています。
番組は、13ページからなる内部資料を入手しました。退職者らによる有志一同が、「弊社代表取締役社長による問題ある言動および行為について」と題し、取締役会に事実確認の調査を要請したのです。
糾弾されているのは、3年前に就任した男性社長(65)。退職者らのまとめで、複数の問題行為が明らかになっています。
~退職者がまとめた“社長の問題行為”~
・問題発生時に「鉄砲を持って来い!牛と一緒にと畜してやる」という趣旨の発言
・酷暑の中、牛の係留所で「お前たちはどうでもいい、牛を死なせないように暑さ対策を徹底しろ」という趣旨の発言
・取引先から連絡が来ないとき、「ババァの月経と同じで待ってても来ない、こっちから再度連絡しろ」という趣旨の発言
・運転中を含め、常時連絡可能な状態を求めたか(過度な対応要求)
・十分な説明もないまま、営業部長の給与を30%減額か(社員に対する不当な懲戒処分)
・社員同士の不倫を疑い、事務所にボイスレコーダーを設置か(従業員に対する監視行為)
他にも、「社長が招聘(しょうへい)したコンサルに異議を唱えた社員らを、会議から外すなど」「従業員本人の同意を得ないまま、個人情報を外部に漏洩(ろうえい)か」といった疑惑も浮上しています。
そして極め付きは、「パワハラ・セクハラ・社内規定など、オレには関係ない。そんなものが日本をダメにした」という、耳を疑うような暴言の数々です(資料による)。
この会社では2025年10月以降11人が退職し、退職者らは取締役会に対し、事実関係の確認を求めています。また、退職者などで作る団体は、社長への法的措置も含め対応を検討しています。
Q.これらが事実なら、争う余地は?
(弁護士・亀井正貴氏)
「ないです。1つはセクハラにも当たる案件があります」
Q.取締役会も機能していないということでしょうか?
(亀井氏)
「取締役会は、代表取締役の専横を規制・監視する義務を負っていますから、その義務に反すれば善管注意義務違反になるわけですが、機能していません。ガバナンスの機能は、ほとんどないということです」
一連の騒動に対し、会社はHPで「従業員の健康や安全を軽視する発言は、決してあってはならないものと認識しています。今後、社内調査の上、対応を行ってまいります」とコメントしています。
また、9月24日には取締役会が開かれ、出席した社長は「今後の対応については委ねる」としました。
(元日本テレビ解説委員・近野宏明氏)
「食肉市場は、独占的・寡占的なマーケットをビジネスの場としているわけです。民間企業だったら、従業員がどんどん辞めたら会社そのものが成り立たなくなって、取って代わる企業が出てきますが、こういった公的な企業だと代わりがなく、そこにこの社長のおごりというか、慢心が裏にあるのかなと思ってしまいます」
この問題は、市議会でも議題にあがりました。その理由は、仙台市が会社の約17%の株を保有し主要株主であるためです。また、市の職員がこの会社の取締役となっていて、市は会社に対して指導を行う立場にあります。そのため、市の対応を求める意見が出たのです。
仙台市議・鈴木勇治氏は、「市議としても今回の一件を重く受け止めている。公共性ある職場環境を守る対応をしていく」としています。
Q.仙台市にも責任はあるのでしょうか?
(亀井氏)
「ここは微妙で、例えば株主がその会社がやった不祥事によって責任を負うかと言ったら、基本的には負いません。ただ、この会社には税金を入れていますし、代表取締役を監視する役目を負っている取締役も、市から派遣されています。公金が使われているという観点で、しかも業種が公的な意味合いを持つものですから、市の監視や是正の必要性は高く求められると思います」
仙台市の担当者は、「市は市場開設者として会社に対し指導を行う立場。今後、事実確認のための調査協力や、食肉の安定供給の維持に取り組んでいく」としています。
(読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」2026年9月25日放送)