7月に世界遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」(奈良県橿原市、桜井市、明日香村)。のどかな田園風景の中に古墳や史跡が点在する地域に、古くから伝わる郷土料理「飛鳥鍋」がある。この鍋を提供する明日香村の料理店「飛鳥の里 めんどや」を訪ねた。
「裏メニュー」だった鍋、口コミで広がる
用意された土鍋には乳白色のだしが張られていた。牛乳と和風だしをブレンドした特製という。
由来は飛鳥時代にさかのぼる。中国から伝わり、献上された牛乳を孝徳天皇が気に入り、宮中で乳牛を飼うように。当初は貴族の飲み物だったが、次第に他の階級にも広まった。その後、僧たちが鶏肉を牛乳で煮て食べたのが始まりとされる。
めんどやでは30年ほど前、裏メニューだった鍋が口コミで広まり、一般向けに提供するようになった。
具材の鶏肉に、ハクサイやネギ、シイタケなどの定番野菜のほか、ブロッコリーやアスパラガスなども。6代目店主の北海希美子さん(58)は「いずれも地場産。体の中から奈良・飛鳥を味わってほしい」と話す。
一口食べると、牛乳のクセはなく、素材のうまみを生かした味わいが広がる。煮込むにつれてコクも増した。残暑厳しい日だったが、汗を流しながら一気に平らげた。
1人前2750円(注文は2人前から)。自家製のゴマ豆腐や柿の葉ずし、わらび餅が付くセット(同4200円)もある。
こちらもオススメ…「フローズンいちごソフト」
食後のスイーツにと、農産物直売所「あすか夢販売所」(明日香村御園2の1)で「フローズンいちごソフト」(650円)を食べた。県特産イチゴ「あすかルビー」を使ったソフトクリームは甘みと酸味のバランスが抜群。3粒の凍ったイチゴもアクセントがきいていた。
いよいよ本格化する秋の行楽シーズン。飛鳥路の散策で古代の息吹を感じつつ、ゆかりのグルメも味わいたい。
※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。
国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。
奈良県明日香村岡40
午前11時~午後4時(売り切れ次第終了)。不定休