大阪地検特捜部が捜査した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(当時)が絡む業務上横領事件の取り調べで容疑者を長時間罵倒したなどとして、付審判決定により特別公務員暴行陵虐罪に問われた元特捜部の検事、田渕大輔被告(54)=現東京高検=の第6回公判が16日、大阪地裁(大森直子裁判長)で開かれ、弁護側の被告人質問が行われた。被告は取り調べの発言を「不穏当だった」と振り返る一方、苦痛を与える意図は否定した。
同罪に問われているのは、被告によるプレサンス元部長=有罪確定=の取り調べのうち、「検察なめんなよ」などと怒鳴ったり机をたたいたりした令和元年12月8~9日の計約50分間。こうした言動が取り調べの範疇(はんちゅう)を外れ、精神的・肉体的な苦痛を与える「陵虐行為」と評価できるか否かが争点となっている。
弁護側はこの日、主に8日の取り調べの発言を問いただした。「検察なめんなよ」との発言について、被告は「覚悟して取り調べに臨んでいる私の問いかけを軽々に扱わないでほしい」との気持ちからだったと説明。8日の一連の言動は、客観的証拠と矛盾する供述を続ける元部長に「を認めてもらいたい」「取り調べに向き合ってほしい」といった思いから始まったもので、脅したり侮辱したりする意図はなかったと訴えた。
また、取り調べに対する姿勢についても問われた被告は「厳しい追及は負担になるので、なぜそういうことをするのか伝え、自分の人となりもできるだけ理解してもらえるようにしている」とも語った。
次回公判は今月19日で、弁護側の質問後、検察官役の指定弁護士による質問が予定されている。