最大震度7を観測した2024年の能登半島地震で、倒壊したビルの下敷きになって家族2人を亡くした遺族が5日、国とビルの所有者に計約2億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。国が規制を怠ったことで、ビルのくいに適切な耐震補強がなされなかったとして「人災」だと訴えている。
地震は24年1月1日午後4時10分に発生し、石川県輪島市の中心部にあった鉄筋7階建ての漆器店「五島屋」ビルが倒壊。隣接していた住宅兼店舗を押し潰し、住人の楠由香利さん(当時48歳)と帰省していた長女の珠蘭(じゅら)さん(当時19歳)が亡くなった。
遺族側は訴状で、倒壊したビルにはくいと基礎をつなぐ鉄筋が存在しない「致命的な欠陥」があったと指摘。国は1995年の阪神大震災で古いくいの脆弱(ぜいじゃく)性を把握しながら、耐震診断の義務付けを5000平方メートル以上の大規模施設に限定したことで規制の対象外になったと主張。ビル所有者は自主的に必要な耐震補強をするべきだったとしている。
防災庁によると、3月末時点で能登半島地震による死者(関連死含む)は720人、行方不明者は2人、被災した住宅は16万5813棟に上る。【安達恒太郎】