活性化委の依頼で米ユーチューバーが比叡山坂本をPR 「まるでホーム」

仏教や哲学への興味から来日した米首都ワシントン出身の米国人、マイケル・ペローさん(27)が、滋賀県大津市の坂本観光協会などでつくる比叡山坂本活性化事業実行委員会(谷正男会長)の依頼を受け、外国人客向けのプロモーションムービーの製作に取り組んでいる。日本各地のビデオや写真を撮影するうち映像の道に傾倒、委員会の関係者と偶然知り合い「大役」を担うことになった。マイケルさんは坂本について「すごく奇麗なところ。最高だよ」と話し、カメラを手に現地を駆け巡った。【山本直】
瞑想(めいそう)を日課にしているマイケルさんは4年前、四国八十八カ所巡りを主な目的に日本を訪れた。初めての土地にもかかわらず安らぎを覚え、「自分にちょうど合う場所が日本だ」と感じたという。以来、徒歩や自転車でほぼ全国を巡った。最初は携帯電話で写真や動画を撮っていたが、次第にのめり込み、知人に頼まれてプロモーション映像を作るなど腕を磨いていった。
今春、東京都内の飲食店でパソコンに向かって編集作業をしていると、近くの席にいた男性2人から声を掛けられた。実行委がこれまでに公開してきた宣伝用映像をプロデュースした布施健次さん(58)=大津市=の長男と次男だった。2人から「面白い人がいる」と連絡を受けた布施さんは「新たな映像は外国人がターゲットなので、同じ視点から作ってもらえたら」とマイケルさんに白羽の矢を立てた。
マイケルさんはこの夏、延暦寺や日吉大社、西教寺、坂本の町並みなどを8日間にわたって取材し、撮影。最終日の18日には天台宗の開祖・最澄の生誕地とされる生源寺で、盆踊りの様子をカメラに収め、坂本の人たちと触れ合った。ムービーは今秋、委員会のホームページや動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップする予定だ。
この仕事を完成させた後、オーストラリアへ旅立つマイケルさんは「また日本に戻ってくると思う。まるで『ホーム』みたい。一目ぼれした場所だからね」と笑った。