不正な郵送調査が判明した厚生労働省の賃金構造基本統計について、不適切な経理処理により約3710万円が支出されていたことが25日、会計検査院の調べで分かった。検査院は厚労省に対し、研修で職員に会計法令の順守を徹底させることなどを求めた。
厚労省の毎月勤労統計の不正を受け、総務省は基幹統計の一斉点検を実施。賃金統計でも、統計調査員が企業を訪問して調査票を配布、回収する本来の方法ではなく、郵送による調査が判明した。
検査院は2017、18年度に47労働局が支出した約2億3400万円の予算執行状況を調査。その結果、全ての労働局で郵送調査を行い、調査員は電話での督促業務などに従事していた。
郵送料や電話料などが過大になり、予算額を超過したため、目的が異なる歳出科目から約3710万円を充てていた。訪問のため計上された正規の旅費が流用されたケースは確認されなかった。