原告側「残念で情けない」=差し止めならず憤り―岩国騒音訴訟

「本当に残念で情けない」。広島高裁で25日、岩国基地騒音訴訟の判決が言い渡された。判決後、弁護団共同代表の山田延広弁護士は「裁判の目的はお金ではない。普通の静かな、平和な生活を返してほしいだけだ」と憤りをあらわにした。
高裁は一審同様、周辺住民への賠償は命じたものの、米軍機、自衛隊機の飛行差し止めや厚木基地から移転した米軍機の差し止めなどは認めなかった。
原告団長の津田利明さん(73)は広島市内で開いた記者会見で、「静かで安全な岩国を子や孫に残さないといけないという思いで訴訟に取り組んできた。非常に残念で悔しい」と落胆。「(厚木基地から移駐した)艦載機が飛行を始めてから、騒音が一段と大きくなった。今後も騒音の大きな飛行機が配備されるかもしれない。とても受け入れることはできない」と語気を強めた。