収監予定の女らが逃走 公務執行妨害の疑いで行方追う、大阪地検

30日午前10時50分ごろ、大阪府岸和田市上野町東の大阪地検岸和田支部前の路上で、保釈が取り消されて収容予定だった岡崎公栄(きみえ)被告(49)=道路交通法違反などの罪で公判中=が一緒に来ていた男と軽乗用車で逃走した。近くにいた検察事務官が車を制止しようとしてはねられ、両手に軽傷を負った。地検は岡崎被告の顔写真を公開し、大阪府警とともに公務執行妨害などの疑いで2人の行方を追っている。
地検によると、岡崎被告は昨年7月、無免許で車を運転し、自転車の子供にけがをさせたなどとして、今年2月に起訴された。翌月に保釈されたが、公判にほとんど出廷せず、地裁が保釈を取り消す決定をしていた。
岡崎被告はこの日、地検の出頭要請を受けて来庁。刑事施設に収容するとの説明を受けると、「荷物を取ってくる」と話し、外で待機していた男の運転する小豆色の軽乗用車に乗り込んだ。事務官4人が立ち会っていたが、男は車を急発進させて逃走した。
地検は事件の約5時間後に概要を発表したが、住民に注意を呼び掛けるための連絡を岸和田市にしていなかった。「事件の罪名や被告の年齢などを総合的に考えて判断した」としている。
検察庁の収容手続きを巡っては、神奈川県で今年6月、収容予定だった男が刃物を持って逃走。最高検は自治体などとの緊急連絡体制を構築するよう求める通達を全国の検察庁に出していた。
地検の上野暁総務部長は「対応に問題がなかったか検証したい」と話した。【伊藤遥、土田暁彦、野田樹】