AIで津軽弁自動翻訳へ 文例公募しビッグデータ収集

青森県津軽地方の方言「津軽弁」を人工知能(AI)で標準語に変換するシステム開発を進めている弘前大は、精度を上げるため、より多くの学習データを収集する事業を開始すると発表した。インターネットを通じて、県内外から津軽弁の文例を募集する。
弘前大のこれまでの実証研究では、AIに学習させた津軽弁は正しく標準語に変換されることを確認。一方で、学習していない津軽弁は変換が難しいことが分かった。
同大によると、システムの開発には最低でも20万件の学習データが必要で、今年中に、現在集まっている3000件程度のデータの少なくとも10倍を収集したいとしている。
津軽弁は聞き取りが難解とされ、医療現場などでの医師と患者の意思疎通などが課題となっている。記者会見した同大の柏倉幾郎副学長は「システムの実用化で、医療・介護の現場や災害時におけるコミュニケーションの円滑化を助け、言葉による問題解消に貢献が期待できる」と話していた。
同大では、津軽弁の学習データを書き込んでもらうホームページを設け、年末まで募集。来年1~2月に、データを解析し、成果をとりまとめる。【藤田晴雄】