跡形もなく白い灰に=焼失した首里城正殿-那覇

くすぶり続ける白煙に真っ黒に炭化した柱。
31日未明の火災で、大部分が焼失した那覇市の首里城の上空を同日午前、ヘリコプターで飛んだ。発生から約8時間が経過してもなお、白い灰に覆われ煙が立ちこめ、鮮やかな朱色と華麗な装飾で威容を誇った正殿は跡形もなくなっていた。
首里城の中心部にある中庭広場「御庭」の正面にある正殿は、主に国王が儀式などを執り行う場で、華麗な装飾が施された城の最重要施設。向かって右側に南殿が、左側には沖縄サミットの夕食会にも利用された北殿が位置していた。
午前10時45分ごろ、現場上空に到着すると、正殿周辺ではまだ白い煙がくすぶっており消防隊員による放水作業が続いていた。
木造3階建ての正殿は真っ黒に炭化した柱などが確認できるものの、ほぼ完全に焼失。コンクリートの土台とみられる柱や壁などがむき出しになっており、火災の激しさを物語っていた。
北殿と南殿はかろうじて建物原型はとどめているものの、窓付近の壁が焼け焦げたり屋根の瓦も散乱したりしていた。