米軍岩国基地(山口県岩国市)の周辺住民が騒音被害を訴え、国を相手取り米軍機と自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めと損害賠償などを求めた岩国基地騒音訴訟で、住民の一部が31日、飛行差し止めを認めなかった控訴審の広島高裁判決を不服として最高裁に上告した。
上告したのは、原告654人のうち139人。飛行差し止めに加え、過去分の損害賠償の増額(約2億4000万円)を求めている。原告団の津田利明団長は「静かな岩国を子供たちに残したいとの思いで上告した」と述べた。
10月25日の広島高裁判決は、過去分の損害賠償について1審・山口地裁岩国支部判決より増額した約7億3500万円の支払いを国に命じたが、米軍機などの飛行差し止め、将来分の損害賠償などは1審同様に退けた。【古賀亮至】