北部九州や山口沖で海難相次ぐ 3割強は漁船関連 7管

北部九州から山口県にかけての海域で、漁船の海難事故が相次いでいる。第7管区海上保安本部によると、今年海難事故に遭った漁船は10月末現在で計93隻で、前年同期比10隻増。人為的原因から死傷者が出る事故も起きており、7管本部は各漁協に「見張り・点検、海況把握など確認動作を徹底してほしい」と呼びかけている。【津島史人】
7管本部によると、10月4日午前には大分県杵築市沖で3人乗り漁船が、エンジン冷却用海水を汲(く)む管からの浸水でバランスを崩し転覆。乗組員3人はライフジャケットを着用しておらず、船長の70代男性が死亡した。同日午後には長崎県平戸市沖で、1人乗りと2人乗りの漁船同士が衝突。1人乗り漁船で操船していたとみられる80代男性が死亡した。帰港中だった2人乗り漁船側の確認不足が原因の可能性が指摘されている。
7管本部が今年の事故について分析したところ、3割強にあたる33隻が衝突事故に絡み、その多くが適切な見張りや早めの回避行動をしていれば防げた可能性があったという。
このため7管本部は10月、安全運航・操業を呼びかける「漁船セーフティラリー」を開始。北部九州・山口の5県約240漁協が参加し、年末まで▽出航前点検の徹底▽確実な見張り▽早めの回避動作▽気象情報などの入手・活用▽ライフジャケットの着用――といった基本事項の徹底を訴え、安全意識向上を図る。