障害のある子どもの兄弟・姉妹(きょうだい児)を支援する埼玉県川口市の任意団体「ブレイブキッズ」が今年で設立10年を迎える。親が障害児のケアに忙しいなどの理由で外で遊べないきょうだい児に遊ぶ場所を提供するほか、同じ境遇を分かち合う友人づくりの場にもなっている。
川口市の市中央ふれあい館で11月上旬に開かれたハロウィーンパーティーに、知的障害や肢体不自由を抱える障害児やそのきょうだいがゲームや映画のキャラクターなどに仮装して参加した。子どもたちは思い思いのイラストを描いたオリジナルの皿をつくり、プレゼントを懸けたじゃんけん大会やボールを使ったゲームで盛り上がった。
ブレイブキッズ代表の岡田実和子さん(46)には障害のない長男虎哲(こてつ)さん(16)と、脳性まひの次男虎次郎(こじろう)さん(14)がいる。親が障害児のケアに忙しかったり、家族で出かけるにはバリアフリーの施設でないと外出できなかったりする「きょうだい児」に遊ぶ場所をつくろうと団体を設立した。
虎哲さんは団体の活動などを通して、パニック障害をもつ20代の兄がいる萩原良音(りょうと)さん(15)と知り合い、長年の友人。2人はパーティーではボランティアとして子どもたちの遊びをサポートした。
2人は「特に障害をもつ兄弟について話すことはない」というが、虎哲さんは「共通点があるから仲が良いのかもしれない」と話す。実和子さんは「息子がつらいときには支えてもらった。お互いの状況が分かるからこそ居心地が良いのではないか」と見守った。【中川友希】