「女性職員の机を物色」で略式起訴、市議「権力持ち浮ついていた」

富山市議会事務局に正当な理由なく立ち入ったとして、建造物侵入容疑で書類送検されていた同議会の木下章広市議(37)について、富山区検は22日、建造物侵入罪で富山簡裁に略式起訴した。
書類送検の時に「検察の判断を待ちたい」と語っていた木下市議は同日夜に報道陣の取材に応じ、議員辞職を否定した。
起訴状などによると、木下市議は6月25日夜、正当な理由がないのに、富山市役所6階の市議会事務局において、市議の立ち入りが禁止されている執務室内に、カウンターの脇にある通路から侵入したとされる。
議会関係者によると、木下市議は消灯後に侵入し、女性職員の机を物色するなどしていたという。7月1日に開かれた市議会各派代表者会議で、事実を認めて土下座して謝罪。事務局側が同5日、同容疑で被害届を富山中央署に提出し、同署が9月10日、富山地検に書類送検していた。
市議会は、議員辞職を促す糾弾決議案や議員辞職勧告決議案を全会一致で可決しているが、木下市議は、議員を続ける意向を示し、書類送検された際には、報道陣の取材に「検察の判断を待ちたい」と述べていた。
木下市議は、政務活動費の不正受給問題を受けて行われた2016年の市議補選で初当選し、17年の市議選で再選されて現在2期目。一人会派「創政改拓」の代表として活動している。

木下市議は22日夜に取材に応じた。木下市議は略式起訴の一報を報道陣から聞かされたといい、「(結果を)重く受け止めるが、議員辞職の考えはない」と語った。理由について「保身に走る必要のない自分だからこそできることがある」などと語り、政務活動費問題で揺れる市議会の改革について意欲を示した。
女性職員の机を物色した当時の心境を問われると「どんな仕事をしているのかという軽い出来心だった」「議員になって権力を持ち、浮ついていた」などと弁明した。
略式起訴という結果を聞いたある市議は「当然の結果。司法が下した判断を受け止めて、自ら出処進退を判断すべきだ」と突き放した。