横浜市神奈川区の京急線の踏切で快特電車と大型トラックが衝突した事故で、京急電鉄は7日未明、事故現場に最後まで残っていた先頭車両を撤去した。正午過ぎから試運転の車両を走行させ、安全を確認した。7日午後に全線で運転を再開する。
京急は、事故があった5日の午後8時ごろから復旧作業を開始。脱線した2、3両目の車両はジャッキアップして線路に戻し、6日午前までに2~8両目を現場近くの車両基地に移動させた。だが、約45度傾いて脱線した先頭車両は、倒れないように固定するなどの作業が難航。当初は6日夕のラッシュ時間帯を運転再開の目標にしていたが、時間がかかってずれ込んでいた。
先頭車両は6日夜に大型クレーンでつり上げて線路に戻し、7日未明に作業員が手で押して車両基地に移した。事故を起こしたトラックの撤去も同日朝までに完了した。
運休している京急川崎―横浜間を除く6日の運行本数は、朝夕のラッシュ時間帯が通常の30~50%程度、昼間の時間帯も60~80%程度にとどまった。
事故は5日午前11時40分ごろに発生。青砥発三崎口行き下り快特電車(8両編成、乗客約500人)が13トントラックに衝突し、トラックを運転していた千葉県成田市の本橋道雄さん(67)が死亡、乗客と電車の男性運転士(28)の計35人が軽傷を負った。
トラックは千葉県へ積み荷を運ぶ途中で、右折して踏切に進入しようとしたが曲がりきれず、立ち往生。踏切に設置している障害物検知装置が作動し、電車の運転士がブレーキをかけたが間に合わなかった。神奈川県警や国の運輸安全委員会が事故原因を調べている。【松本惇】