沖縄でサンオイルを使うと危ないって本当? 日焼け止めメーカーに聞いてみた

日焼けをしたいからといって沖縄でサンオイルを使うと大変なことになる――
真偽のほどは不明だが、2019年8月下旬からツイッターでそんな噂が広まっている。沖縄の紫外線は強すぎて、日焼けを通り越して火傷してしまうことがあるというのだ。
このことに関連して、ツイッターでは、
「マシで沖縄の紫外線舐めないほうがいい 下地作ってサンオイル塗っててもこれ SPF2とか意味ないね」「初めて沖縄に行ったときに日焼け止めと間違えてサンオイル塗りたくって大変な目にあった」「そもそも水着のままで泳いでるのって、初めて沖縄に来た観光客だけですね。沖縄に住んでる人は、男でも例外なく上に長袖シャツとか羽織って泳いでるから」
といった声が寄せられている。
日焼けをしたくない人は当然日焼け止めをしっかり塗るなど対策をとるが、かっこよく日焼けをしたい人はそうもいかない。サンオイルを沖縄で使うと大変なことになるとは、本当なのだろうか?
Jタウンネットは2019年9月6日、日焼け用オイルや化粧水のタンニングシリーズと、UVカットの日焼け止めの両方を販売している大正製薬の広報担当者に話を聞いた。
まず整理しておきたいのが、日焼け止めとサンオイルの違いだ。
広報担当者によると、サンオイルは日焼け止めの一種であることに間違いない。ただ、肌に赤みや炎症を起こさせるUVB(紫外線B波)を防ぐSPF値が、日焼け止めよりも低く設定されているため、肌をきれいに焼きたい人に向けたアイテムだという。
しかし、今回の噂の広がり方を見ていくと、「サンオイル=日焼け用=何も塗らない以上に焼くもの」と誤解している人の姿が。例えばツイッターには、
「サンオイルを塗ってしまうと日焼けどころか全身ヤケド状態にまでなってしまう」「サンオイルって日焼けするために塗る物ではなかったか?」
というコメントも見つかる。
担当者はこうした勘違いをしている人がいることを指摘しつつ、
「サンオイルを塗っていない場合と塗った場合では、塗っていない場合の方が炎症を起こす日焼けとなってしまいます」
と改めて説明する。
つまり、サンオイルを塗ることで、何も塗らないよりは肌のダメージを抑えられる。決して、サンオイルが日焼けを促進しているわけではないということだ。
しかしツイッターでは、実際に沖縄でサンオイルを塗って、赤く焼けてしまった肌を投稿する人も見られる。そうなると考えられるのが、沖縄の強い紫外線を防ぐのに「サンオイルでは弱すぎるのではないか」ということだ。
塗らないよりマシとはいえ、やはり沖縄でサンオイルはやめたほうが良いのではないか。こういった疑問について、改めて担当者に聞くと、
「人によってはSPF値が高いものを塗ってもただれる人もいます。塗らないのが一番まずいですし、それは沖縄に限ったことではないと思います。一般論として、湘南だって長時間いる場合は塗りなおした方が良いですよね。すべての地域において日差しの強い時は、肌の弱い人はちゃんとケアしないと傷めてしまうことがあります」
とのことだ。
紫外線の強さは日によるし、肌の強さも人それぞれ。紫外線の強さによっては、肌が弱くない人でも炎症などを起こす可能性は十分にあるので、日焼け止めとサンオイルはその時の状況に応じて使い分ける必要があるだろう。
気象庁の公式サイトからは、紫外線の強さを指標化した「UVインデックス」を用いた予測図や解析図を見ることができるため、参考にしてみるのも良いかもしれない。