愛媛県立高校で「電子黒板」の導入が進んでいる。教師の「板書」に代えてデジタル教材や教師自作の教材をホワイトボードに表示することができ、効果的な授業が期待される。生徒側のタブレット端末と結んで双方向の授業を進める場面もあり、教室の風景は一変している。県立西条高(西条市明屋敷)1年生の「コミュニケーション英語」の授業を訪ねた。【松倉展人】
40人の生徒が8班に分かれ、班ごとにタブレット端末が配られた。「ウオームアップ」として、岡内まどか教諭が英単語の質問を出す。「easy to lift or move(持ち上げたり、動かしたりしやすいこと)を1語で。時間は1分間」。教室正面のホワイトボードでは1秒ごとのカウントダウン表示が始まった。各班の解答も画面に瞬時に出る。「正解はlight(軽い)。残念! スペリングミスの班もあるね」
同校は今年の2学期から3学年21教室の全ホームルーム、6特別教室に電子黒板を導入した。教科書準拠のデジタル教科書に加え、プレゼンテーションソフトなどで教師が自作した教材で授業に臨む。
岡内教諭の「ウオームアップ」も自作だ。生徒側のタブレット端末に入れた掲示板アプリを使い、班ごとの解答も瞬時に共有できる。日本語から英語、英語から日本語の「単語練習」も、1学期までは表裏両面の手製カードを掲げていたが、今は画面上に呼び出す。順不同にしたり、音声を添えることもできる。教科書の一部を画像でボードに写し、大事なところをあえて手書きで強調することもある。
「画面の上で、英語の覚えかたを生徒と一緒に学べるのが大きい。今までは教科書を見ながら口頭で説明して小テストをするだけ。みんなが前を向くようになったのが一番の変化です」と岡内教諭。1年生の黒河稀良莉(きらり)さん(15)は「それぞれの班がどんなことを考えているか、すべて分かるのがすごい」。真鍋拓海(たくみ)さん(16)は「数学では画面の上に図形を写して学ぶことができ、集中できる」と電子黒板の授業を楽しんでいる。
県教委によると、電子黒板は2017年度に65の県立校で118教室に配備されたのを手始めに導入が進んでいる。23年度までに65校の全ホームルームを含む計1507教室に備える計画で、無線LAN環境を併せて整える。電子黒板は一般競争入札の結果、全国展開中の東温市のメーカー「サカワ」の製品が各校に導入されている。