フードアナリスト業務委託、茨城県公社が不適切処理 虚偽の相見積もり書類依頼

食品関連会社との金銭トラブルで、いばらき大使を解嘱されたフードアナリストの藤原浩氏と事業の委託関係にあった茨城県中小企業振興公社は10日、国の補助事業に関する報告書で、不適切な処理があったと発表した。藤原氏が紹介した会社が適正に業務を受注したと見せるため、公社職員が食品関連5社に対し、不適切な見積書の作成を依頼していた。一方、金銭被害を訴える4社は同日、被害者の会を設立した。【鳥井真平、太田圭介】
同公社によると、中小企業の商品開発などを支援する2016年度の「JAPANブランド育成支援事業」として、公社は藤原氏に対し、食品関連会社の商品の包装や店舗のロゴなどデザイン制作業務を委託していた。
公社は、藤原氏の金銭トラブルの発覚を受け、当時の事業が適切に処理されたかどうかの調査に着手。補助金を交付する国へ提出した報告書のチェック、担当職員や会社側への聞き取りを実施した。
その結果、公社は被害者の会に参加する小野瀬水産(筑西市)と高橋肉店(龍ケ崎市)をはじめとした5社に対し、藤原氏を紹介していた。藤原氏は5社に、商品の包装やロゴなどをデザインする会社を紹介。5社はこのデザイン会社に発注し、料金を支払った。
その際、本来なら2社から見積もりを取らなければならないところを、藤原氏が紹介した1社にしか発注していなかったという。
公社の30代男性職員が、藤原氏紹介のデザイン会社が仕事を適正に受注したように見せるため、5社に対し、別の会社が藤原氏の紹介会社よりも高い金額で見積もったとする発注書の作成を指導していた。
結果として、藤原氏が紹介したデザイン会社は、それぞれ約80万~300万円で業務を受注し、受注金額の3分の2が国の補助金で賄われていた。
男性職員は調査に対し、「会社側が助成金を受け取れるよう、よかれと思ってやった」と説明したという。公社は藤原氏に便宜を図ったことを否定し、職員と当時の上司の処分を検討するとした。
また公社には、17年7月と12月、18年1月に藤原氏に関するトラブルの相談が寄せられていた。「依頼したデザインがネット上のフリー素材と酷似している」という内容だったが、公社は藤原氏に「誠意ある対応をしてほしい」と伝えただけだった。公社の今橋裕麿専務理事は記者会見で「職員全体を指導し、再発防止に努めたい」と謝罪した。