8月末の夜、数多くの高級クルーザーが係留する東京夢の島マリーナのクラブハウスで、あるパーティが催されていた。
【写真】新たな失言をした桜田元五輪相
会費は5000円でワインや焼酎などのアルコールのほか、阿波牛の角切りステーキなど豪勢な食事がテーブルに並ぶ。出席しているのは幅広い年齢層の起業家たちだが、中心にいたのは意外な人物だった。
問題発言を繰り返したあげく、岩手県出身の高橋比奈子・衆院議員の政治資金パーティで「復興以上に大事なのは高橋さん」と言って五輪担当相を事実上更迭された桜田義孝・衆院議員である。
パーティ主催者が桜田氏の支援者だった関係で、この夜はライムの入った焼酎を片手に、頬を赤らめながら上機嫌でマイクを握っていた。
「適当なこと言っていいんですか? 炎上さえしなければいい?」
開口一番、そう言って会場から、拍手喝采を浴びた桜田氏。次の選挙に向けてこんな話をした。
「東京で会合やイベントの声がかかると“あれっ、今度の選挙なんとかなるかなぁ”と思うんですよ。人気のバロメーターは東京でどれだけ呼ばれるかどうか。地元の世論調査で金かけるくらいならこういうところに来たいね」
また、「今日は横浜で開かれたアフリカ会議に数少ない国会議員の中から行きましてね」と最近の活動報告を始めたかと思うと、
「日本が国連の常任理事国になるには気難しいヨーロッパより、アフリカの約50票を狙ったほうがいい。私はそろばん勘定は達者なんですよ。頭は悪いけどね」
と調子が上がる。そして締めに近づくと、やっぱり……。
「正直に言う政治家が必要だと私は思うんです。(ほかの政治家は)『皆さんの声を国会に届けます』とか言っておいて自分の都合の悪い時はよぉ……。俺はこの前言ってやったんだよ。私は失言なんかしたことありませんと。文句言われても構わない。正直に、まっとうにやりたいんです」
あぁ、失言とは自覚してなかったということなのか……。
桜田事務所に発言の真意を問うと、「パーティの企画担当に聞いてほしい」との回答。その担当者に尋ねると、
「あれは7月30日に発足した先生を支援する会『令和目安塾』の集まりです。クローズドの会なんで、それだけご理解ください」
との説明だった。“新失言”でもう一花咲かせるつもりか。
※週刊ポスト2019年9月20・27日号