抵抗できない状態だった当時19歳の実の娘と性交したとして準強制性交等罪に問われ、1審・名古屋地裁岡崎支部で無罪判決を受けた40代の男性被告の控訴審公判が13日、名古屋高裁(堀内満裁判長)であり、娘を精神鑑定した女性医師を証人尋問した。検察側の請求。
医師は今年7、8月の面接の結果として「幼少期からの性的暴力など不適切な養育環境によって、性交を求められても精神的、心理的に抵抗できなかった。父親への諦めの気持ちがあった」などと述べた。また娘が「ペットのように扱われ、人間としてみられていない」と発言していたと明かした。
被告は2017年8月に勤務先の愛知県内の会社で、9月には県内のホテルで娘と性交したとして起訴された。同罪は、相手を「抗拒不能」(身体的・心理的に抵抗するのが著しく難しい)状態にさせたり、その状態につけこんだりして性行為をした場合に成立するため、抗拒不能の認定が争点となっている。【川瀬慎一朗】