「知らなかったが責任はある」漫画村首謀者、起訴内容認める 福岡地裁

海賊版サイト「漫画村」(昨年4月閉鎖)に人気漫画を無断掲載したとして著作権法違反罪に問われたサイト運営者で首謀者とされる星野路実(ろみ)被告(28)は16日、福岡地裁(太田寅彦裁判長)であった初公判で「(漫画の画像がサイトに)アップロード(投稿)されているのは知らなかったが、責任はあると思う」と述べ、起訴内容を認めた。
起訴内容は漫画村のサイト運営メンバーと共謀し、2017年5月、人気漫画の「ONE PIECE(ワンピース)」と「キングダム」の画像データをそれぞれ漫画村に無断掲載して作者の著作権や出版元の出版権を侵害したとされる。漫画村を巡っては、これまでに星野被告を含む運営メンバーの4人が著作権法違反容疑で逮捕、起訴され、このうち画像の投稿を担った男女2人が有罪判決を受けた。
福岡県警などによると、漫画村は遅くとも15年8月には存在し、閉鎖までに数万冊分の漫画を無断公開した。社団法人「コンテンツ海外流通促進機構」によると、17年9月~昨年2月だけで約6億2000万件のアクセスを集め、国内最大級の著作権侵害事件として政府が対策を検討する事態にもなった。
星野被告は県警の任意の聴取を受けた直後の昨年5月に出国。今年9月にフィリピンから強制送還された後、県警などの合同捜査本部が逮捕した。今月9日には漫画村の収益を海外口座に隠したとして組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑で再逮捕されている。捜査段階では事件への関与をほぼ一貫して黙秘していた。
削除と開設のいたちごっこ続く
推定被害額が3000億円超とされる、国内最大の海賊版サイト「漫画村」の閉鎖後も、ネット上には漫画が無料で読める海賊版サイトが次々と誕生し、削除や閉鎖と開設の「いたちごっこ」(出版大手関係者)になっているのが現状だ。
各種出版団体でつくる出版広報センター(東京都)によると、海賊版サイトは今も500程度あり、アクセス数の上位10サイトだけでも日本からのアクセス数が月間6551万回に上る。この10サイトとは別に、漫画村の閉鎖後に開設され、“漫画村のクローン”を名乗ってアクセスを集めた「星のロミ」(今年9月に閉鎖)は月間約4000万回を数えたという。
出版業界は海賊版サイトや動画投稿サイトなどに対し、年間200万件の削除要請をしているがやはり「いたちごっこ」状態だ。センターによると、最近はユーチューブの他、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に漫画画像を無断投稿するケースが目立つという。広告費が得られるユーチューブには外部からチェックされにくい深夜に投稿し、日中までに削除する手口が横行。収入が直接得られないSNSの場合はファンが著作権侵害の意識なく投稿を繰り返しているとみられる。【中里顕】