伊藤詩織さん、「勝訴」判決受けて会見「一晩の出来事に4年近く苦しみました」

ジャーナリストの伊藤詩織さん(30)が元TBS記者・山口敬之氏(53)から性暴力を受けたとして1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は18日日の判決公判で「酩酊状態で意識がない伊藤さんに合意がないまま性行為に及んだ」と認定し、山口氏に330万円の支払いを命じた。
判決後に会見した伊藤さんは「一晩の出来事でしたが、4年近く苦しんでいます。家に例えたら、性は土台。土台を傷付け、家自体が動いてしまった。修復には時間が掛かります。これで終わりじゃありません」と述べた。会見中は安堵の笑みを浮かべる場面もあったが、涙も時折見せていた。
判決で鈴木昭洋裁判長は「伊藤さんには被害を虚偽申告する動機がない」とする一方、山口氏の説明は重要な部分で不合理に変わっており、信用性に重大な疑念があると述べた。刑事手続きでは山口氏は嫌疑不十分で不起訴となっており、結論が分かれた。
山口氏は、伊藤さんが著書などで被害を公表したことで名誉を傷つけられたとして、逆に1億3000万円の賠償を求めたが、判決は「公表内容は真実で、名誉毀損には当たらない」として棄却。公表は「性犯罪被害者を取り巻く状況の改善につながると考えた行為で、公益目的だ」と指摘した。
判決によると、伊藤さんは2015年4月、就職先の紹介を受けるため山口氏と会食した際に意識を失った。伊藤さんはその後、ホテルで性的暴行を受けたと主張。山口氏は合意に基づく性行為だったと反論していた。
伊藤さんは実名を公表して性暴力問題の深刻さを訴える著書「ブラックボックス」を17年10月に出版するなどし、日本での「#MeToo」運動の広がりに影響を与えた。
伊藤さんは準強姦容疑で警視庁に被害届を提出したが、東京地検は16年7月に嫌疑不十分で不起訴とした。東京第6検察審査会も17年9月、不起訴を覆すだけの理由がないとして、不起訴相当と議決した。