三菱電機の男性新入社員が自殺し、兵庫県警が自殺教唆容疑で上司の男性社員を書類送検した事件で、男性の遺族の代理人弁護士が18日、東京都内で記者会見を開いた。代理人は、上司のパワーハラスメントで精神的に追い込まれたことが原因で死に至ったとして労災申請し、同社に損害賠償を求める考えを明らかにした。「自殺しろ」「殺す」「死んだほうがいい」など、上司からの暴言を記したとみられる男性のメモも公表した。
代理人の嶋崎量弁護士によると、男性は20代で、今年4月に技術職として入社し、7月にシステム開発などを担当する生産技術センター(兵庫県尼崎市)に配属された。翌8月に県内の社員寮近くの公園で、自ら命を絶った。現場には男性の自筆のメモが残されており、上司で教育主任だった30代の男性社員から受けたとする暴言が書かれていた。「次、同じ質問して答えられんかったら殺すからな」「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」などの内容で、嶋崎弁護士は「明確なパワハラだ」と指摘する。
男性の遺族は「息子の死ときちんと向き合い、悲しい出来事が二度と起こらないようにしてほしい」と訴えるコメントを出した。嶋崎弁護士によると、これまでに会社側から遺族への謝罪はないという。兵庫県警三田署は11月、この上司を自殺教唆容疑で書類送検している。
三菱電機ではこれまでに、技術職や研究職の男性社員5人が長時間労働やパワハラを原因として精神疾患や脳疾患を発症し、うち2人が自殺。2014~17年にそれぞれ労災認定された。また、子会社の新入社員が17年に自殺し、今年10月に労災認定された。【矢澤秀範】