出演者逮捕で助成中止「違憲」=映画会社が独法提訴―東京地裁

出演者の逮捕を理由に文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」(芸文振)が、映画「宮本から君へ」への助成金交付を取りやめたのは違法だとして、映画を制作した「スターサンズ」が20日、不交付決定の取り消しを求め東京地裁に提訴した。同社側は「憲法が保障する表現の自由を侵害しており、芸術文化の将来のために見過ごせない」と訴えている。
訴状などによると、芸文振は3月末に映画への助成金1000万円の交付内定を通知。内定は出演者のピエール瀧さん(52)が麻薬取締法違反容疑で逮捕された後だったが、芸文振側は通知後に態度を変え、内定辞退や映像の再編集を打診してきたという。
同社が拒否すると、芸文振は瀧さんの有罪判決確定を受け7月、「(出演者が)公益性の観点から適当でない」として、不交付を決定した。
内定後の取り消しや内容の修正要請は前例がないといい、同社は「交付を盾に表現方法に介入し、芸術活動を萎縮させた」と主張。審査要件になかった「公益性」を理由に不交付としたことも違法と訴えている。芸文振は9月に要綱を改訂し、公益性を条件にした撤回規定を加えた。
同社の河村光庸社長は記者会見し、「行政が表現の自由に無自覚に介入することに恐れを感じる。自由な文化芸術の大切さを訴えたい」と話した。
芸文振の話 訴状が届いておらずコメントできない。
[時事通信社]