小泉環境相が福島県知事と面会 原田氏の処理水「放出」発言で、漁業関係者らに直接謝罪も

小泉進次郎環境相は12日、福島県庁を訪問し、内堀雅雄知事と面会した。小泉氏は、東京電力福島第1原発事故に伴う汚染処理水を巡り原田義昭・前環境相が「海洋放出の他に選択肢はない」と発言したのを受け、面会に先立ち地元漁業関係者らに直接謝罪したことを明らかにした。
面会で内堀氏は、放射性物質を含む汚染土が仮置き場から本格的に搬入される県内の中間貯蔵施設について「受け入れは県民にとって苦渋の決断。30年以内に県外で最終処分する約束もある。大臣のリーダーシップで信頼を作り上げてほしい」と要望した。小泉氏は「その言葉を忘れず、胸に刻みたい。約束を守れるよう全力を尽くす」と述べた。
面会後、報道陣の取材に小泉氏は、全国漁業協同組合連合会の岸宏会長や、試験操業中の同県いわき市の漁業者らに会って謝ったと説明し、「率直に申し訳ないと、思いを伝えなければいけないと思った。信頼とはそういうことだ」と話した。
原田氏の問題発言は、11日に岸会長が「撤回を強く求める」と反発するなど波紋を広げていた。【鈴木理之】