【相模原45人殺傷初公判】植松被告、起訴内容認めるも暴れ休廷 小声で「深くおわびいたします」

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年、入所者19人が刺殺され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判の初公判が8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれた。植松被告は起訴内容ついて「(間違い)ありません」と述べた。弁護側は、事件当時、精神障害があったと無罪を主張した。その後、植松被告が暴れ、裁判は休廷になった。
午前11時に開廷の予定だったが、傍聴希望者が多かったことなどから手続きに時間を要し20分遅れて始まった。植松被告は黒いスーツ姿に腰辺りまで伸びた髪を後ろに束ね、数回会釈しながら入廷。
裁判長から氏名などを問われると、小さいながらもはっきりとした声で答えた。植松被告は罪状認否で「(間違い)ありません」と認めた後、弁護側の申し立てを受けて裁判長が植松被告の発言を許可。証言台の前に立っていた植松被告は小声で「皆さまに深くおわびいたします」と述べた後、突然顔に手を当て、うめき声を発して暴れだし、刑務官が床に取り押さえた。
裁判長が傍聴人に退廷を命じ、法廷内には「早く退廷してください」と地裁職員らの怒声が響くなど騒然となった。
公判の主な争点は刑事責任能力の有無。植松被告をめぐっては横浜地検が鑑定留置を実施。人格障害の一つである「自己愛性パーソナリティー障害」と診断されたが、地検は完全責任能力があったと判断し、起訴していた。
被告は事件前に措置入院した際に「大麻精神病」とも診断され、逮捕後も尿から陽性反応が出ていた。こうした状況から、弁護側は薬物性精神障害による心神喪失状態だったとして無罪を主張するとみられる。
公判は、被害者の氏名などを伏せて審理できる「被害者特定事項秘匿制度」が適用され、ほとんどの被害者に、アルファベットなどを用いた匿名呼称が用いられる。被害者参加する遺族や関係者の人数も多く、一部は傍聴席の一角に着席するが、被告や他の傍聴者から見えないよう、周囲に遮蔽板を設けた。
初公判を前に、産経新聞の接見取材に複数回応じてきた植松被告は殺傷行為そのものは認め、精神障害ではないと強調。「自分はいいことをした。自分が主張していることの方が、判決よりも大事。控訴はしません」などと話していた。
起訴状などによると、植松被告は28年7月26日未明、入所者の男女ら43人を刃物で突き刺すなどして19人を殺害、24人に重軽傷を負わせたとされる。また、結束バンドで廊下の手すりに縛り付けた職員2人を負傷させたとしている。
地裁は25日間程度の審理日程を明らかにしており、判決は3月16日に言い渡される予定。