2017年の九州北部豪雨で校舎に土砂が流入し、閉鎖されていた大分県日田市鈴連町の市立小野小の校舎に8日、2年半ぶりに児童の歓声が戻ってきた。被災した校舎や通学路を市が修復。児童27人がこの日の始業式に出席した。授業の再開を待ちわびた子供たちは、笑顔で校内を駆け回った。【尾形有菜】
被災したのは、17年7月5日。大分・福岡両県を記録的な大雨が襲い、市内でも3人が死亡した。山間部にある小野小学校も、校舎の脇を流れる小野川が氾濫。校舎や体育館に大量の泥水や土砂が流入した。建物に浸水したことに加え、エアコンの室外機や配電設備も故障した。
学校で授業ができないため、小野小は豪雨の直後から臨時休校に。土砂崩れの危険もあり、通学に不安を覚える声が保護者からも上がったことから、児童たちは夏休みを前倒して長期休暇に入った。
児童たちは8月18日から、約5キロ離れた戸山中の空き教室を間借りしてしのぐことに。空いている四つの教室を、更にパーテーションで区切り、学年ごとに授業をしていた。
児童たちが戸山中に間借りしている間、市は17年度に小野小の校舎や体育館の床板を一部はがして土砂を撤去した。18年度中に氾濫による被害を防げるように、校舎をコの字に囲む鉄筋コンクリートの防水壁を建設した。学校周辺の復旧と安全対策を終えた。
被災からの復旧も徐々に進み、市は昨年7月、同校近くの土砂崩れのあった地区に発令した「避難準備情報」を解除した。こうした状況を踏まえて、市は昨年11月、小野小での授業再開を決めた。
2年半ぶりに母校に戻った子供たち。この日はインフルエンザで休んだ2人を除く全児童27人が始業式に参加した。
中島卓校長は「みんなは普通じゃないことを体験した。体育館がきれいだったり、教室が広いと思ったり、当たり前のことがすごいと感じられる。その当たり前のことに感謝して頑張りましょう」と語りかけた。
始業式で、児童たちは「明るく元気な小野小にしたい」「小野小に帰ってこれたので今までできなかったことに全力で取り組みたい」などと学校の再開に喜びの声をあげた。
「広いグラウンドで思いっきり走りたい」。3年の永野真衣さん(9)は笑顔をこぼし、6年の中嶋梢嵐(そら)さん(11)は「小野小で授業するのは、久しぶりで楽しみ。下級生が困っていたら、優しく教えてあげて良い学校にしたい」と話した。