胎児・小児期にメチル水銀の被害を受けたとして、水俣病未認定患者団体「水俣病被害者互助会」会員で熊本、鹿児島両県に住む男女8人が国や熊本県、原因企業チッソに計約3億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審が10日、福岡高裁(西井和徒裁判長)で結審した。判決は3月13日。
2014年3月の1審・熊本地裁判決は、重度の原告を含む3人を水俣病と認め計1億600万円の賠償を命じる一方、5人については同居家族に認定患者がいないことなどから「高濃度の水銀を摂取したか疑問」として請求を棄却した。原告側、被告側双方が控訴した。
この日は、原告8人がそれぞれ意見陳述(うち1人は寝たきりで出廷困難のため動画を再生)。原告団長の佐藤英樹さん(65)は「国、熊本県、チッソから冷たい目線で見られ偽患者扱いを受けてきた。人に言えない屈辱、苦しみに何十年も耐えてきた」と語った。1審で訴えを棄却された緒方博文さんは「差別や偏見が続き、いまだに救済を求めて手を挙げられない多くの人がいる。水俣病が終わっていない真実を見てください」と訴えた。【宗岡敬介】