「機動戦士ガンダム」や「伝説巨神イデオン」「海のトリトン」などで知られるアニメーション監督、富野由悠季さん(78)の55年間に及ぶ仕事を回顧する企画展「富野由悠季の世界」が11日、島根県益田市有明町の県立石見美術館で始まった。直筆の絵コンテや企画書の他、デザイナーによるイラスト原画、撮影用のセル画など約3000点。3月23日まで。
富野監督は1964年に「鉄腕アトム」で演出家デビュー。総監督や原作などを務めた79年の「機動戦士ガンダム」では宇宙での戦争を舞台にリアルな人間ドラマを描き、その後のロボットアニメに大きな影響を与えた。
同展は全国6館の巡回展で少年期から最新作までの6部構成。映像の設計図である絵コンテは絵と共に人物などの動きの説明やせりふが書き込まれ、実際の映像と見比べられるコーナーもある。デザイナーが描いたラフ画には富野監督が赤字で書いた修正指示があり、制作の過程がうかがえる。また、父親が戦時中に制作に関わった飛行士の与圧服の写真や小学生時代のロケットの絵など創作の原点といえる資料も並ぶ。
開幕行事で訪れた富野監督は「ロボットが動いているだけではなく、骨太の物語を読み取ってほしい」と語り、山口県の会社員、兼森千里さん(24)は「アニメ製作は大変な作業だと感じた。監督がリアルさにこだわっているのが分かった」と話した。2月11日を除く火曜と同12日休館。一般1000円、大学生600円、小中高生300円。【竹内之浩】