次々と発覚したパチスロ攻略法の数々…やりたい放題だった平成初期パチスロ界

前回紹介したセット打法の登場でパチスロの妖しい魅力が開花した2号機や3号機時代(平成初期)、さらにここに攻略法の宝庫といわれた機種があります。

◆次々と発覚する攻略法 平成初期のパチスロ界はカオスだった……

それが、やはり裏モノとして人気だった『サファリラリー』。ベットボタンと清算ボタンを交互に連打するとクレジットに99枚というあり得ない数字が出て、そのまま払い出してしまうことも可能。レギュラーボーナスが成立している状態でしつこくビッグボーナスを狙っていると揃ってしまったりと、ウソみたいな本当の話が山ほど発覚します。

しかしこれは裏モノだからというワケでではなく、そもそもの設計にミスがあったからというのが真相。裏モノではレギュラー→ビッグ変換が対策されていたりと何やら本末転倒な事態にもなりましたが、それが当たり前みたいな風潮もあったりして。とかくカオスなところが多いパチスロは怪しいからこその魅力があったのも事実であり、そんなところに筆者は強くひかれて今の仕事を始めたといっても過言ではありませんでした。

カオスを極めた、平成初期の2・3号機時代。攻略法の宝庫といわれた機種は他にもあり、今なおシリーズが続いている『リノ』にもいろいろな隙が存在しました。

手順はこれも簡単で、清算ボタンを押しながらスタートレバーを叩くだけ。成功すれば1枚掛けの状態になり、目押しで7を狙えばそのまま揃ってビッグボーナスがスタート。いわゆるバグが原因ではありますが、当時は内部的な抽選でボーナスに当選していなくても、リール上で図柄が揃っていれば成立してしまうような機種があり、その多くは攻略法の対象となってしまいました。

なかでも業界が激震したのが、特定のメーカーの機種におけるセット打法。『リバティベルシリーズ』や『リバティベル』など、同じ様なスペックの兄弟機では特定手順を踏むことで1枚掛けでも3枚掛けとしてみなされ、1枚掛けの無効ラインに7を揃えることでビッグボーナスが始まってしまう特大のネタが発覚。設置台数も多く攻略プロ以外の一般ファンも少なからず恩恵にあずかれましたが、最終的にはホール側が島閉鎖という最終手段に出て、わずか数日しか使えなかった超短命の攻略法でした。でも推測でしかありませんが、このセット打法を早くから知っていた人もいるはずで、驚くような稼ぎがあったのかなと……。うらやましい話です。

◆ボーナス絵柄を目押しで1000枚獲得可能?!

メーカー側の落ち度、設計ミスやバグによる攻略法は、2・3号機時代には度々発覚します。例えば『ドリームセブンJr』や『マジカルベンハー』ではリール配列や制御のミスによって、本来ならビッグボーナス1回で350枚程度しか獲得できないのに、ボーナス中に逆押しでボーナス絵柄を目押しすると、リール制御と絵柄配列の“妙”によってボーナス絵柄が揃ってしまい、そこから改めてビッグボーナスがスタート。強引にボーナスゲームを引き伸ばし一撃1000枚程度獲得できてしまうという攻略法が発覚。

また4号機時代になっても、『ジャックポット供戮箸いΦー錣任魯椒織鵑鯱打すると乱数に偏りが生じてしまい、その結果としてボーナスが当たりやすくなると言う、ウソみたいな本当の話もあったりしました。

ちなみに攻略法が出た時の対策としては、特定手順を行なう時に用いるボタンの配線を切る方法が多く、本来なら違法改造であっても、そもそも裏モノとして元々違法改造されているからか、ホールにはまったくそんな意識もなく、またファン側も仕方ないなと済ませたもの。今ならすぐに行政へ通報なんていう話にもなりますが、どちらにしてもおおらかな時代であったのは確かです。

【キム・ラモーン】
25年のキャリアを持つパチンコ攻略ライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞など幅広い分野で活躍する。