コロナウイルスの「国内感染」はもはや免れない SARSやMERSと比べて感染力は?致死率は?

中国・武漢市に端を発し、全世界で感染者・死亡者の報告数が急増している新型コロナウイルス感染症。1月28日には、日本国内でもヒト-ヒト感染による感染者が発生した。当該人物は明らかな発症者との接触がなかった。中国衛生当局も指摘するどおり、長ければ2週間に及ぶ潜伏期間中の感染者(キャリア)から、感染した疑いがある。発生以来、多くの感染者が日本に入り、確認されていない国内感染者がすでに大勢いると見るべきだ。それを前提に、国民1人ひとりが正しい知識を持ち、共有し、予防のために行動するのが、現実的な方策である。 ■日本国内で感染拡大がすでに始まっている 昨年末には確認されていた新型コロナウイルス感染症だが、ここへきて指数関数的に患者が増加し始めている。その原因としては、潜伏期間の長さと、軽い初期症状が挙げられるだろう。一般的なウイルス感染症が48時間程度の潜伏期間で発症することが多いのに対し、今回のウイルスは潜伏期間が1~2週間と長い。また、初期症状が咳や関節痛、悪寒、下痢など風邪と酷似している。気づかないうちに感染を広げている感染者は、確認されているよりもずっと多いはずだ。 中国政府は感染拡大を防ぐため、1月23日に武漢を封鎖(公共交通機関を閉鎖)したが、その前後に同市人口のほぼ半分に当たる500万人が武漢を脱出したとも言われている。ウイルスはもはや中国全土、そして世界に、把握されている以上に拡散していると見るべきだ。 当然、日本も例外ではない。昨年12月に武漢で初めて患者が報告され、1月中に中国内での感染が広まって以降も、日本は中国からの渡航者を制限なく受け入れてきた。冒頭に挙げた国内初感染者も、武漢からの観光客を乗せたバス運転手だった。その後、同乗のツアーガイドの女性の感染も明らかになり、3次感染の可能性が指摘されている。そして今なお、中国からの観光客が日々、続々と訪れている。 日本経済や日中関係を考えればやむをえないだろう。特に観光業・小売業が今日、中国観光客に大きく頼っていることは否定できない。中国からの訪日旅行客は2018年には838万人に上り、日本国内で1人平均22万円以上を消費している(うち12万円近くは、百貨店、ドラッグストア、スーパーマーケット、空港内免税店などでの買い物。『訪日旅行データハンドブック2019』による)。単純計算で、2兆円近い市場だ。 しかも、バス運転手たちが武漢からの観光客と行動を共にしたのは、感染発覚よりも2週間も前のことだ。それから発症までの10日余り、国内で日常生活を送る中で、当然ながら多くの人と接触している。その間に感染を広げていない保証はどこにもない。

中国・武漢市に端を発し、全世界で感染者・死亡者の報告数が急増している新型コロナウイルス感染症。1月28日には、日本国内でもヒト-ヒト感染による感染者が発生した。当該人物は明らかな発症者との接触がなかった。中国衛生当局も指摘するどおり、長ければ2週間に及ぶ潜伏期間中の感染者(キャリア)から、感染した疑いがある。発生以来、多くの感染者が日本に入り、確認されていない国内感染者がすでに大勢いると見るべきだ。それを前提に、国民1人ひとりが正しい知識を持ち、共有し、予防のために行動するのが、現実的な方策である。
■日本国内で感染拡大がすでに始まっている
昨年末には確認されていた新型コロナウイルス感染症だが、ここへきて指数関数的に患者が増加し始めている。その原因としては、潜伏期間の長さと、軽い初期症状が挙げられるだろう。一般的なウイルス感染症が48時間程度の潜伏期間で発症することが多いのに対し、今回のウイルスは潜伏期間が1~2週間と長い。また、初期症状が咳や関節痛、悪寒、下痢など風邪と酷似している。気づかないうちに感染を広げている感染者は、確認されているよりもずっと多いはずだ。
中国政府は感染拡大を防ぐため、1月23日に武漢を封鎖(公共交通機関を閉鎖)したが、その前後に同市人口のほぼ半分に当たる500万人が武漢を脱出したとも言われている。ウイルスはもはや中国全土、そして世界に、把握されている以上に拡散していると見るべきだ。
当然、日本も例外ではない。昨年12月に武漢で初めて患者が報告され、1月中に中国内での感染が広まって以降も、日本は中国からの渡航者を制限なく受け入れてきた。冒頭に挙げた国内初感染者も、武漢からの観光客を乗せたバス運転手だった。その後、同乗のツアーガイドの女性の感染も明らかになり、3次感染の可能性が指摘されている。そして今なお、中国からの観光客が日々、続々と訪れている。
日本経済や日中関係を考えればやむをえないだろう。特に観光業・小売業が今日、中国観光客に大きく頼っていることは否定できない。中国からの訪日旅行客は2018年には838万人に上り、日本国内で1人平均22万円以上を消費している(うち12万円近くは、百貨店、ドラッグストア、スーパーマーケット、空港内免税店などでの買い物。『訪日旅行データハンドブック2019』による)。単純計算で、2兆円近い市場だ。
しかも、バス運転手たちが武漢からの観光客と行動を共にしたのは、感染発覚よりも2週間も前のことだ。それから発症までの10日余り、国内で日常生活を送る中で、当然ながら多くの人と接触している。その間に感染を広げていない保証はどこにもない。