2018年の西日本豪雨の際、決壊防止のため行われたダムの緊急放流で被害を受けたとして、愛媛県の肱川下流域の住民ら8人が31日、国などに計約8600万円の損害賠償を求め、松山地裁に提訴した。原告代理人によると、西日本豪雨をめぐる訴訟は全国初とみられる。
訴状によると、18年7月7日、国土交通省四国地方整備局が管理する鹿野川ダム(同県大洲市)と野村ダム(西予市)で緊急放流が行われ、肱川が氾濫。流域の住宅が浸水などの被害に遭い、8人が死亡した。
遺族ら原告側は、ダムの操作が不適切だったと主張。大量の雨水が流入することを事前に予測できたのに事前放流を怠ったほか、1996年に大規模な水害に対応できない操作規則に変更した過失があると指摘している。緊急放流前に十分な情報提供をしなかったとして、大洲、西予両市にも賠償を求めた。
提訴後、記者会見した原告の女性(50)は「両親が亡くなって2年になるが、いろいろな情報が入ってきていない。真実を明らかにしたい」と悲痛な表情で語った。
四国地方整備局と大洲、西予両市は「訴状を確認できておらずコメントを控える」としている。
[時事通信社]