拉致被害者家族の国民大集会 東京で開催

北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を求める「国民大集会」が16日、東京都千代田区であった。北朝鮮が拉致を初めて認めた2002年の日朝首脳会談から17日で17年。家族は「元気な間に一目会いたい」と解決を訴えた。
集会前に、被害者の家族と面談した安倍晋三首相は、02年に被害者5人が帰国後、一人も帰国できていないことを「痛恨の極み」と述べ、「条件をつけずに金正恩(キム・ジョンウン)(朝鮮労働党)委員長と向き合っていく。あらゆるチャンスを逃さないとの姿勢で早期解決に取り組む」と強調した。
集会では、横田めぐみさん(行方不明時13歳)の母早紀江さん(83)が「これまで何度もチャンスがあったがそのたびにまた帰れないのかという思いで来た。一回でいいから頑張ってきたねと抱きしめてあげたい」と話した。拉致被害者の曽我ひとみさん(60)は帰国後の17年を「5人だけが帰ってきたという申し訳ない気持ちと、あとの方はどうしたのかという心配の中で生きてきた」と振り返った。同級生からまだ帰国していない母ミヨシさん(同46歳)の拉致前の写真を見せてもらったことも明かし「元気で生きている母ちゃんに会いたい。もう一度親孝行させてください」と訴えた。【堀智行】