新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため政府が要請した全国の小中高校の臨時休校が2日、始まった。人が密集する場所を避けるため、文部科学省は「基本は自宅待機」と求めている。ただ、前例のない事態だけに、学童保育を利用したり仕事を休んだりの対応を余儀なくされた保護者からは「長期間自宅にこもる生活に子供が耐えられるのか」と、早くも不安の声が上がっている。
■悪天候の日は…
「屋内の施設を避けようとすると、天気が悪い日は体を思うように動かせない。この先どうなるのか…」。小学1年生の息子(7)を持つ夫婦共働きの男性会社員(47)=東京都葛飾区=は戸惑いを隠せない。
近くの学童保育は午後2時以降しか利用できず、男性は妻と交互に会社を休んで対応することに。「休校初日」のこの日は妻が自宅に残ったが、雨のため外で遊ばせることができず、「体を動かすタイプのテレビゲームをした」と妻から連絡があったという。男性は「授業を受けられないことによる影響も気がかり。ドリルなどを使って手探りで教えていきたい」と話した。
小学2年の長女(8)と保育園に通う次女(5)を育てる新宿区の女性会社員(47)は、長女を学童保育に預けることにした。ただ、教室が1つしかないのに登録者は約100人。「普通の学校より危険なのでは」と不安を口にする。
2月29日と3月1日の土日には、近くの公園に連れて行ったが、いつもより混雑していたといい「子供のエネルギーを発散させるためにも家族でジョギングしようかと考えている」と明かした。
■自宅待機に限界
学校での集団感染を防ぐため実施された今回の臨時休校。期間中の子供たちの過ごし方について、文科省の担当者は「(感染リスクの高い)人混みや狭い空間に行かなくても、健康的に生活できる方法はたくさんある」とする一方、「基本的に自宅待機でお願いしたい」と要望。友人と遊ぶのも「なるべく控えてほしい」としている。
ただ、子供を感染から守ろうとするあまり、行動を制限しすぎればストレスをためてしまう懸念もあり、「自宅待機」だけでは限界がある。
小学1年の長男(7)と幼稚園児の長女(4)がいる横浜市の女性会社員(36)は、長男を一日中、学童保育に預けるのが不安で、仕事を休んでいる。「家の中で本を読んだり、DVDを見せたりしても限界がある。スーパーに行くにも連れて行かないといけないので、結局、人が集まるところに連れて行かざるを得ない」とため息をついた。
■家族の絆つくる
子供の外出が制限されるという「異常事態」を、どう乗り切ればいいのか。
東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「我慢を強いられる部分もあるが、政府は今後1~2週間を重要な時期としており、今後永久にこの状況が続くわけではないだろう」としつつ「公園のような屋外の施設であれば利用しても危険性は低いが、人が集まる密閉された室内は避けたほうがいい」と述べた。
教育評論家の尾木直樹さんは「親は『勉強をさせなければ』などと思いがちだが、親がイライラすると、かえって子供のストレスになる」と指摘。体を動かせることについては「たとえば、一緒にランニングをしたり、家事を手伝ってもらったりすることもできる。こういう状況だからこそ、家族の絆をつくるチャンスととらえるべきだ」と話した。