関西電力の金品受領問題を巡り、2018年の社内調査の担当チームに福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受け取っていた原子力事業本部幹部が加わっていたことが、第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)の報告書で明らかになった。結果的にこの調査は甘い内容になっており、第三者委は「不十分な点があった」と批判した。
関電は税務調査によって18年1月に金品受領問題が発覚した後、法務部門で社内調査を始めたが、金品受領者が多かった原子力事業本部の調査は善家保雄副事業本部長が中心になって行った。当時の本部長は1億円超の金品を受け取っていた豊松秀己元副社長で、その部下の善家氏も数十万円の商品券受領者だった。第三者委は「上司に適切な調査を実施できるか疑義があることは否定できない」と批判。「善家氏が調査主体として機能することは避けるべきだった」と指摘した。
調査対象も11年以降の関係者にとどまるなど限定的だった。18年9月にまとまった調査報告書は工事発注の過程について「コンプライアンス(法令順守)上の問題はなかった」などと、会社に有利な結論を出した。報告書などを踏まえ、経営陣は社外取締役への報告や対外公表を見送った。第三者委は「広範かつ深度のある社内調査を行えば、より早期に再発防止を図ることが可能だった」と分析した。同志社大の百合野正博教授(監査論)は「社外取締役に伝えずに済むよう、最初からお手盛りの調査で済ませようとした意図があったのでは」と指摘する。【釣田祐喜】