高校野球のセンバツで盛り上がるはずだった20日からの3連休。この週末をめぐって大阪と兵庫で想定外のバトルが勃発した。大阪府の吉村洋文知事が19日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、「大阪-兵庫間の不要不急の往来を控えてほしい」と府民に呼び掛けたのが発端。兵庫県には根回しがなく、井戸敏三知事は「(大阪府が)勝手にやった」と怒り心頭の様子だった。府民、県民も突然のことに「はぁ?」状態で今後、各方面に遺恨を残しそうな雲行きでもある。
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19日夕、突如明らかにされた大阪-兵庫間の往来自粛要請。大阪府の吉村知事が新型コロナウイルス対策についてテレビ出演中に表明し、寝耳に水の大阪側の「政治判断」に、兵庫県の井戸知事もただただ驚くだけだった。
番組後、大阪府庁で報道陣の取材に応じた吉村知事は国の専門家から提案があったことを強調。「こういうことは調整したら、できなくなる。僕の政治判断です」とアピールした。市職員や府幹部は「何も聞いていない」「テレビを見て腰を抜かした」と想定外の事態に慌ただしく対応に追われた。
吉村知事の発表を受けて同日夜に会見した井戸知事は、苦笑いを浮かべながら往来自粛の呼び掛けを表明。県関係者によると、会見後には「(吉村知事らは)いつも過剰な発言をして、全然責任を取らない」と周辺に不満をぶちまけたという。
県幹部は「大阪で感染が収束してきたことを強調するために、兵庫で感染が拡大しているように見せているのではないか」と不信感を示したほどだ。
吉村知事の「政治判断」の根拠は、感染者1人から平均何人にうつったかを示す「実効再生産数」が、兵庫県では「1」を上回り、感染拡大の傾向にあるとの説明を専門家から受けたためとしている。
突然、移動を「やめてくれ」とお達しが下った住民、関係者は唖然とするばかり。19日夜、帰宅する通勤客らであふれるJR大阪駅。兵庫県宝塚市に住む50代男性会社員は、「なぜこの3日間だけなのか。今回の要請は突然過ぎる。計画的にできなかったのか」と不快感を隠さない。
JR三ノ宮駅(神戸市)にいた同市の会社員、二宮章浩さん(55)は、同僚らが営業で平日は毎日のように大阪に行くという。「前日の夕方に自粛要請されてもどうしようもないし、兵庫も大阪も感染者数はそんなに変わらないはずだ」と首をかしげた。
20日に梅田にある知人の飲食店に行く予定という神戸市の会社員、高橋剛志さん(35)は「売り上げは普段の2割ぐらいに落ち込んでいたと聞いたので、友達とお金を落としにいこうとしていた。いまさら断れないので早めに切り上げようかと話し合っている」。まさに波乱の3連休だ。