【新型コロナ革命】韓国やイタリアのような「医療崩壊」起きてはいないが… 日本は海外を見習ってもっと“大胆な対策”を!

新型コロナウイルスの感染拡大で、何が一番怖いかといえば、医療現場での感染者急増による「医療崩壊」である。幸い、安倍晋三内閣の対策はそれを良く認識しているので高く評価したい。
大阪府吹田市の国立循環器病研究センターでは7日、女性非常勤看護師が他の医療機関で勤務中に感染したことから、消毒作業のために5日間にわたって外来診療を休診した。看護師と接触があった職員32人を自宅待機としたが、感染者が診療に訪れたというだけで閉鎖されている医療機関は多い。
イタリアでは、感染者に病院を占領されて救急外来も機能しなくなっている。もっと怖いのは、中国湖北省武漢市のように、医師などが感染して死者まで多く出ることである。イタリアの状況を見ると、それが杞憂(きゆう)ではないことが分かる。何しろ、インフルエンザと同様の防御では、感染することが多いからだ。
しかも、入院しても確実な治療法も特効薬もなく、重症者には気管挿入ぐらいしかやることがない。
左派野党と一部メディアが「希望者全員をやれ!」と求めるPCR検査は精度が100%ではないため、感染しているのに陰性と判定され(=偽陰性)て、感染を拡大する弊害もある。
現状では、「風邪かな」と思ったら自宅に引きこもって、まず様子を見るべきだ。今回のウイルスは感染力が強いため、集団感染を避けるためにも感染の疑いのある患者を普通の病院・診療所に近づけるべきでない。「37・5度以上の発熱が4日以上」「強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)」などを目安に、都道府県の保健所などに相談すべきで、PCR検査はむやみにすべきでない。
英国船籍のクルーズ船の乗客の扱いに批判もあった。
ただ、大部分が日本語もできない数千人もの乗客・乗員を上陸させたら、感染のさらなる拡大は不可避だった。それに医師や看護婦、隔離施設などをあてがうコストは耐えがたいものだっただろう。とりあえず、船内に留まらせただけでも上々の判断だった。
とはいえ、加藤勝信厚労相のもとでの対策に私が満足しているわけではない。加藤氏は財務官僚らしく、上がってきた情報を見事に取捨選択して手堅く処理している。しかし、もっと陣頭指揮型でダイナミックな対策も考案し展開してほしい。
例えば、海外でやっているように、臨時に特例を設けても遠隔医療で診断したり、検査対象者を病院に来させるのでなく医者でなく完全防御の看護師が車で訪れて検体を出張採集するなどやるべきだ。
さらに、ウイルスがもっと蔓延(まんえん)した場合、臨時に休業していたり、まだ研修中の医師や看護師をどう動員するとか配置転換するとか、中国からの医師受け入れなど、準備万端整えるべきだと思う。
■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『ありがとう、「反日国家」韓国』(ワニブックス)、『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)など多数。