京都市立中65校、全校再開も10日から再び休校に 門川市長「まさに危機的状況」

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、京都市立の中学校は65校全校が予定通り6日に始業式を開いた。学習機会の保障を重視しての1カ月ぶりの再開で、学校現場は校内での感染防止に厳戒態勢で臨んだ。だが、同市では週末も感染者が増えたため、門川大作市長が同日午後に緊急記者会見を開き、全ての市立学校・幼稚園を10日から再び臨時休校に変更すると発表。生徒の歓声が響いた学び舎(や)は、再び静寂に包まれる。
同市中京区の西ノ京中学校はこの日、2、3年生計236人中228人が登校。校舎入り口では生徒全員の手に教員らがアルコール消毒液をかけた。始業式は例年は体育館に集合して開くが、密集を避けるため各教室に分かれて校内放送を流す形にした。校歌斉唱や教員の話を割愛するなどして時間も半分ほどに短縮。窓を開けて換気し、座席は一定の間隔を空けるなどした教室で、生徒は約20分間、スピーカーからの内田隆寿(たかよし)校長(59)の話などに耳を傾けた。
同校は7日に入学式、8日に授業再開を予定。市教委の方針に基づき、生徒が朝晩の体温や健康状態を記入する「健康観察票」を担任が毎日確認▽手洗いやマスク着用の励行▽机を対面型にしない――などの対策を取る。部活動は当面の間は中止とする。
それでも、生徒同士の接触を完全に断つのは難しく、感染リスクは避けられない。始業式の前後の教室や廊下は久しぶりの再会を喜び、歓声を上げたり、じゃれ合ったりする生徒であふれた。内田校長は「子供たちが接する機会はあるが、小まめな手洗いやマスク着用を指導する」と強調した。
3年の児玉遥さん(14)は「普段と違う学校の様子に不安もあるが、最近は家族の顔ばかり見ていたので友達に会えて新鮮だった」。3年で卓球部の林春太郎さん(14)は「最終学年なのに大会に出られないかもしれず残念だ」と話した。
10日からの再休校が発表されたのは、その約6時間後。ここ数日の新たな感染確認者は経路が分からないケースも増えており、門川市長は会見で「まさに危機的状況。子供の命と健康を守ることを最優先した」と説明した。【添島香苗】