新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄県の玉城(たまき)デニー知事は8日の記者会見で、緊急事態宣言が発令されている間は、宣言の対象地域の7都府県をはじめ県外からの沖縄訪問を自粛するよう呼びかけた。来県自粛の要請は観光立県の沖縄にとって経済面での影響も大きいが、知事は「沖縄県民の命と健康を守ることが最優先である」と強調した。
沖縄県では8日新たに5人の感染が確認され、感染者は39人になった。4日以降はほぼ連日、感染者が確認され、7日はこれまでで最多の12人に上った。首都圏や近畿圏などで感染した県民や旅行者も多いとみられ、既に2次感染も起きている。
玉城知事は3月下旬以降、県民に不要不急の県外への旅行を控えるよう呼びかけてきたが、医療関係者らでつくる県の専門家会議では4月に入って「来県自粛も求めるべきだ」との意見が上がっていた。
石垣島では3月、感染が広がる地域や海外を避けたとみられる若者や家族連れが殺到し、石垣市の中山義隆市長が31日、来島の自粛を求めた。離島では医療体制が脆弱(ぜいじゃく)で、ウイルスの流入を警戒し、来島自粛を求める自治体が他にもある。【遠藤孝康、竹内望】